「傍若(ぼうじゃく)な」という言い方 |  ときしらずのブログ◎迂闊な話         

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先日のブログで「順風な」という言い方について書きましたが、きょうは、「傍若(ぼうじゃく)な」という言い方について書きます。

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  ぼうじゃくぶじん【傍若無人】

    〔名・形動〕

    人前をはばからず、勝手気ままにふるまうこと。

    「 ― な態度」

  ∇ 「傍(かたわ)らに人無きが若(ごと)し」の意。

                 (『明鏡国語辞典』第二版)

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昔、「ぼうじゃくな…」という言い方を耳にしたことがあります。

アルバイト先の先輩で、三十代半ばの男性が、電話で話していたのでした。

「ぼうじゃくな奴だけど、いい奴だよな…」

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「傍若無人(ぼうじゃくぶじん)」という四字熟語の後半を略して、「傍若(ぼうじゃく)な…」と言っているのは確かだと思われました。先輩の傍らにいた「人前をはばからず、勝手気ままにふるまう」奴とは、どんな人だったのでしょう。…

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『広辞苑』第六版によれば、「傍若無人」の出典は『史記』であるとのことです。上掲辞典の解説にある「傍(かたわ)らに人無きが若(ごと)し」は、つまり漢文を読み下したものです。「傍若」のみでは何の意味も成さないの明らかでしょう。加えて、形容動詞でもないわけですから、「傍若+な」という形容動詞としての用法も、あり得ないのではないでしょうか。

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「傍若無人」とは違い、四字熟語には、例えば「温厚篤実(おんこうとくじつ)」(「篤実温厚」という言い方もあります)のように「温厚」と「篤実」という二つの熟語で構成されているものが多いのではないかと思われます。「温厚」だけでも、「篤実」だけでも意味を成します。しかしどちらか片方だけでは「温厚篤実」の意味にはなりません。何故なら、当たり前のことですが、“四字熟語”だからです。

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「順風満帆(じゅんぷうまんぱん)」の場合は、字義は「追い風〔じゅんぷう〕を帆いっぱいにはらむ〔満帆〕」ですから、「順風」だけでも意味は成しますが、「満帆〔帆いっぱいにはらむ〕」は、「風」などの補語が必要ではないでしょうか。なお、「順風」だけで意味を成すと言っても、「順風満帆」の意味にならないのは言うまでもないことでしょう。

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「傍若(ぼうじゃく)な…」という言い方をしていた先輩は今どうしているのかと、ふと思ってしまいました。言葉遣いを話題にするほどの間柄でもなかったし、どうしているのかなどと思うほどの間柄でもなかったのでしたが。…