読書 十角館の殺人 綾辻行人 あらすじ  | 怠け者のつぶやき

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今まで勉強してこなかった怠け者が
今更だけど本でも読もうか、ってことで色々と
本を読んだりニュースを気にしたりしてつぶやいてます。

○特徴(ネタバレなし)

1.背景

①日本のミステリ界に大きな影響を与え、新本格ブームとなった綾辻行人のデビュー作。

②この小説の登場により、「綾辻以降」という呼ばれ方ができてしまうほどの人気となる。

③本作は、アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」のオマージュ作品。

④作品内には、その他にもミステリ好きを喜ばせる仕掛けが施されている。

⑤綾辻氏の「館シリーズ」の最初の作品でもある。

 

2.ストーリー(ネタバレなし)

 大分県のJ崎から少し離れたところにある無人島「角島(つのじま)」。ここの持ち主であった中村青司(せいじ)は半年前の1985年9月に四重殺人事件に巻き込まれる。主人の青司、妻の和枝、使用人の北村夫妻が火事で亡くなった。もう一人いたはずの庭師・吉川誠一は、死体が見つからなかったため、事件の犯人として捜索をされている。まだ犯人は捕まっていないが、この事件にはいくつか不思議な点が見られた。吉川誠一が島を訪れたのは9月17日で、18日には和枝が殺されたとみられている。その後北村夫妻が殺され、最後に青司氏が殺されたのが9月20日。期間がかなり空いているのだ。また和枝は左手首を切り落とされており、左手はどこからも出てきていない。この事件は当時有名になった事件であった。

 1986年3月26日、地元の大学生推理小説(ミステリ)研究会は、角島を訪れる機会を得ることができた。青司の住んでいた屋敷、通称「青屋敷」は全焼してしまったが、島にもう一つあった十角館という別宅をメンバーの一人、ヴァンの叔父が引き取ったのだ。角島に行く事になったメンバーはエラリイ、ポウ、カー、アガサ、オルツィ、ルルウ、ヴァンの7人だった。このミステリ研究会は、お互いに有名ミステリ作家の名前をニックネームにして呼び合っている。

 先に行って準備をしていたヴァンの所に、他の6人がやってきた。これから1週間十角館に泊まる事になった6人は、帰りまで様子を見に来なくて良いと連れて来てくれた船乗りに伝えた。到着した6人をヴァンが迎え十角館に荷物を置いた後、全員で集まった。来年度の新編集長、ルルウから会誌に使う原稿執筆の依頼があったものの、特にやる事を決めていたわけではない。外の様子を見に行ったり、中でジグソーパズルを始めた者もいるなど、各々好きな事を行っていた。特に何事もなく1日目派過ぎていった。

 そのころ、本土では同じミステリ研究会の元会員、江南孝明(かわみなみたかあき)の所に妙な手紙が送られてきた。ただ一言、「おまえたちが殺した千織は、私の娘だった」と書いてあり、差出人は「中村青司」となっていた。千織はミステリ研究会の元会員で、昨年飲み会で酒を飲みすぎ、心臓が弱いこともあって急性アルコール中毒で亡くなった。千織はおとなしく、飲み過ぎてしまう様な子ではなかった。江南はこれを不信に思い、他の家を訪ねてみると他の会員にも同様の手紙が届いているようだったが、守須を除き皆留守にしていた為、確証を得ることはできなかった。思い切って江南は中村青司の弟である中村紅次郎の所に行ってみる事にした。紅次郎の所にも良く似た手紙が来ており、そこで友人の島田潔(しまだきよし)と知り合う事になった。2人と守須は話をして、四十殺人事件を詳しく追ってみる事にした。守須は絵を描きたいとの事から、安楽椅子探偵(アームチェア・ディテクティブ)となると宣言した。

 2日目の昼ごろ、角島のホールに出てきた面々はテーブルに置かれていた物に驚愕する。そこには「第1の被害者」「第2の被害者」…「第5の被害者」「殺人犯人」「探偵」の7つのプレートが置かれていた。まるでアガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」の10体の人形だ。これは何かの悪い冗談かと思うが誰も名乗り出ない。疑心暗鬼になりながらも、これを気にしない様に7人はその日を過ごした。そして翌日、アガサが起きるとその日は来てしまった。オルツィの死体を見つけてしまったのだ。しかもその死体は左手首を切り取られていたのだ。

 十角館での殺人を犯したのは誰なのか?他の皆は生き残る事ができるのか?手紙の差出人は本当に中村青司なのか?四十殺人事件の真相とは?様々な謎が絡み合い、物語は進んでいく。

 

 

○評価

1.本を選んだ理由

 国内のミステリでこの小説はすごいと絶賛されていた事から。

2.評価(各5段階、25点満点)

項目

説明

点数

目的との合致度

目的と合致しているほど高い

☆☆☆☆

わかりやすさ

わかりやすいほど高い

☆☆☆

内容の質

質が高いほど高い

☆☆☆☆

内容の量

量が多いほど高い

☆☆☆

読み応え

読み応えがあるほど高い

☆☆☆

合計

 

☆☆☆★

※評価はS、A、B、C、Dの5段階。B以上は読む価値あり。

  ミステリファンであれば良いが、あまり知識がないと十分楽しめない。