1.背景
①2015年大統領予備選へ出馬する事になったドナルド・トランプ氏は、大胆な発言で注目を集めている。
②トランプ氏が言っている事はパフォーマンスの面も多いため、実際に大統領になった時にはどの様なことをするか、わかりにくい面がある。
③そこで、トランプ氏が大統領になった時の事を考えるため、彼がどの様な人物でどの様な主張をしているか、簡単にまとめる。
2.概要
①アメリカ大統領選挙は1年がかりで行う大イベントである。
②共和党と民主党から大統領が生まれる事がほとんど。共和党は新保守主義で「世界の警察」としての行動を規範としている。民主党はリベラル主義で、改革・解放政策に比較的柔軟。
③大統領は2期8年までだが、1期目が3年未満の時は3期10年まで就任ができる。
④トランプ氏の人物像は、気性が荒いがビジネスマンとしては非常に評価が高い。
⑤トランプ氏は、規制緩和と自由化で借金を9億ドルも抱えた事があり、また日本のバブル期にも仕事を奪われたため、規制緩和や日本への嫌悪感を抱いていると思われ、それが政策にも現れている。
⑥トランプ氏は、大統領予備選に勝つために、2011年頃から準備をしてきた。支持団体への寄付やそれに寄り添った政策等、発言は全て計算されている。
⑦トランプ氏の政策は、米中貿易の改革、退役軍人省の刷新、税制の改革、銃規制強化へ反対、移民の改革の5点がアメリカ人に受けている。
⑧日本に対して影響が大きい政策は、TPP反対、為替政策、貿易政策、対中政策、日米安保である。日本に不利な発言が多いため、クリントン氏よりもリスクが高いと言える。
⑨外交に関しては、「アメリカ一国主義」という現代のグローバリズムの流れと逆行した物になりそうである。
⑩一部知識が欠如している部分が見られる。例えば日本車メーカーが苦戦を強いられる様な発言をしているが、その部品の多くはアメリカで作っていることなどである。規制をしても巡り巡ってアメリカを苦境に立たせることになる事がわかっていない可能性がある。
⑪トランプ氏が暴言として言っている事は、一部のアメリカ国民が思っている事を包み隠さずに発言しているため、賛成も得られている。人気を集めている言葉の本質をつかむと、アメリカの問題が浮き彫りになって来る。
⑫トランプ大統領が誕生した場合、彼の政策を冷静に見極めていかなければならない。
3.良い点
①完結にまとめてある。
②テーマを絞っている。
③自己主張がほとんどなく、できる限り客観的に書こうとしている。
4.悪い点
①量がほとんどない。約30ページの小冊子。
②内容が一般的で、少し詳しく調べれば誰にでも知れる内容。
○評価
1.目的
トランプ氏は発言の過激さばかりが取り上げられており、実際にどの様な政策を行うつもりか見てみたかった。
2.評価(各5段階、30点満点)
項目 | 説明 | 点数 |
目的との合致度 | 目的と合致しているほど高い | 5 |
わかりやすさ | わかりやすいほど高い | 5 |
内容の質 | 質が高いほど高い | 3 |
内容の量 | 量が多いほど高い | 1 |
読み応え | 読み応えがあるほど高い | 2 |
専門性 | 専門性が高いほど高い | 2 |
合計 |
| 18 |
評価 |
| B |
※評価はS、A、B、C、Dの5段階。B以上は読む価値あり。
3.学んだ事
①アメリカの共和党と保守党の考え方の基本。
②トランプ氏の政策。特に退役軍人省の事等は全く知らなかった