心理学入門② 第4章 人が生まれてから死ぬまで:発達心理学 サトウテツヤ・渡邊芳之  | 怠け者のつぶやき

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4章では、人が生まれてから死ぬまでにどの様な認知の変化が起きるかを示す、発達心理学が説明されている。発達心理学は、元々は乳児や幼児の発達の研究をしていたが、各々の年齢の定義を検討しているうちに、全ての年代への学問へと発達していった。

ヒトは他の動物と比較すると、22カ月ほど妊娠しなくてはならず、意図的に早く産まれていると考えられている。早く産まれて来る事で、ヒトは様々な刺激を得る事が出来、知能の発達を促進させている。産まれて1カ月程度はほとんど性格に差が見られないが、1カ月が過ぎると気質が人により変わってくる事が分かっており、この頃の親子関係は、ミルクを上げることも重要であるが、子供は体を密着させる事を望んでいるという研究結果が報告されている。またピアジェは子供の性格形成を研究したが、子供の考えの基本は自己中心性であり、他者の視点などは考えられない事や、物の量、長さ、重さ等の保存が出来る事を認識できない事が確認されている。9歳ごろまでには、これらの認識が可能になるとされている。

以降の心の発達では、エリック・エリクソンが8つの段階を示している。乳児期、幼児期、児童期を過ぎると青年期に入る。青年期では、自己同一性(アイデンティティ)の確立が重要な課題となるが、ここではモラトリアムを過ごす人もいる。

精神分析では、成人期以降はあまり研究されていなかったが、現在ではここについても新たな案が出てきている。中でも老年期では一般的に知能が低下すると考えられて来ていたが、キャッテルとホーンによると、経験による知識(結晶性知識)は、衰える事がないと考えた(推論を基にする流動性知識は衰えが見られる)。バルテスは根本的で難しい問題に熟達した知識、と定義した英知という概念は、衰える事がないと考えた。