精神科医が教える読んだら忘れない読書術 | 怠け者のつぶやき

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今まで勉強してこなかった怠け者が
今更だけど本でも読もうか、ってことで色々と
本を読んだりニュースを気にしたりしてつぶやいてます。

要約


読んでもすぐ忘れる読書は意味がないからやめる。覚えていなければ単なる自己満足である。本とは読んだ後にそこで気付いた事を人生に役立てる、自己成長をさせる事でその意味を発揮できる。どのようにすれば、読書した内容を覚えていられるのであろうか?
 必要なのは圧倒的なアウトプットである。それを支えるのは圧倒的なインプットであり、インプットをするためにはスキマ時間を有効活用する事と、感情の伴った読書をする事が効率を高める。
 アウトプットとは何をすればよいか?
 ①本を読みながら、メモをとる、マーカーでラインを引く。
 ②本の内容を人に話す。本を人に勧める。
 ③本の感想や気付き、名言をFacebookやTwitterでシェアする。
 ④Facebokやメルマガに書評、レビューを書く。
 この4つのうちの3つを行うと良い。特に「何度も使う情報」は記憶の仮保存をしておく海馬から長期記憶のための側頭葉へと記憶される場所が変わる。これは1週間以内におこなう事が好ましい。
 インプット量を増やすためには、15分程度のスキマ時間を活用して効率よく集中すると良い。人間は、初頭努力と終末努力と言って、最初と最後は集中力が高まる。記憶に関しては、最初と最後の5分が最も集中力が高まるため、最初と最後の5分の回数をなるべく多くするよう、短い時間で集中して本を読む事が良い。仕事をしていると、1日2時間程度のまとまった時間も取り難いから、特にこのスキマ時間は重要である。
集中力の限界として、15分間までは最大の集中力を、45分は通常の集中力を、90分は休憩をしながら通常の集中力を保てる。このような時間を活用する事が記憶力を高める鍵となる。
 また記憶に残る方法として、感情の昂りを活用する方法がある。感情が高まるとアドレナリンやドーパミン、エンドルフィン等が分泌されるが、これは記憶を残す助けにもなっている。思い出や好きなマンガ等がそれに当たる。

 記憶力を高める読書のテクニックとしては、知りたい事を最初に見てしまう方法や、難易度の調整、自分の興味がある本を興味が出た時に読む、同じジャンルの本を固め読みする、寝る前に本を読むという方法がある。
知りたい部分を最初に見ると、集中力が高い時に見る事ができ、効率よく記憶に残す事ができるし、難易度の調整により集中力が増す。難易度の調整は内容の難しさと本を読むスピードで調整が可能である。興味があると言う事は感情を伴っているため記憶に残りやすいし、固め読みは何度も情報を使うため良い。寝る前に本を読むのは、追想法と言って直後に情報が入ってこなくなるため頭が整理される方法だ。

また自己成長をする読書をするためには、良い本を選ぶ事も重要である。良い本を選ぶためには、自分のレベルに合った本を読むことと、読書家が勧めた本を読む、広げる読書と深める読書を行う、知識と情報のバランスを取っていく事が重要である。
自分のレベル、特にあまり本を読んでいない人ほど本格的な本を読みたがるが、専門用語なども分からないので記憶には残りにくい。そのためには、他の人がまとめた入門編の本を活用すると、分かりやすく書いてあるため概要を把握しやすい。また本格的な本を読むための足掛かりとして、活用できる事も魅力である。少し知識がついてきてから本格的な本を読めば良い。
読書家が勧める本と言うのは、多くの失敗の上の良い本であるから、自分にとっても良い本である可能性が高い。ただしここで気をつけなければならないのは、自分のレベルとその読書家が想定している人のレベルが合っているか、と言う事である。ここがずれると良い本も上手く活用できない。
本を読む時には知識の幅を広げる読書と、知識を深めていく読書の2通りがあるが、広げるだけでは雑学王、深めるだけでは専門バカの様になってしまう。最初に知識を広げていき、それから面白そうな分野で知識を深めていく事が重要である。
知識や情報は、短期・中期・長期で結果が出て来る物に分けられる。ニュース等の情報は超短期ですぐ使えるが、すぐに使えなくなる。ノウハウ本等は短期で今すぐ活用できるだろうし、仕事術などの少し期間が過ぎてから結果が出る本もある。また哲学など長期にわたって結果が出ない本もあるだろう。短期で結果が出る本ばかり読んでいると人間的な成長ができない可能性があるが、結果が出るまでに長い時間がかかる本だけでモチベーションが続かない可能性がある。バランスを大事にして読んでいく事が重要である。また、本の読み方としては長所伸展と短所克服の2点の読み方があるが、最初は読書を楽しいと思えるよう長所伸展をさせていく事が良いであろう。

今では電子書籍も出ており、好きな本を読みたいと思った瞬間に買って読む事が容易である。読書は人を成長させ、悩みを解決し、人生を変える可能性も持っている偉大なツールの一つである。一方で日本人の読書離れは深刻で、約半数の人は1カ月に1冊も本を読んでいないと言う。1カ月に3冊以上本を読む人は全体の18%程度、5冊以上は約8%、7冊以上読む人はわずか3.4%である。本をたくさん読んでいる人は、それだけ深い財産を得ており、実際の生活にも影響が出て来る事も多い。ぜひとも読書を好きになり、多くの本を読むようになって、人生をよりよいものにしていく手助けにしてほしい。