〈第七回ビーケーワン怪談大賞〉では、前回の失敗を教訓に、もうちょっと真摯に怪談へ取り組んでみた──と思います。たぶんきっとおそらく。
ただどうしても、実話怪談というやつには抵抗感がありまして、僕は創作怪談でいこうと決めていました。だって、オバケいないじゃん。実話って言われましても……と思ってたんですね。これは勘違いなわけですが。オバケがいるいないとか、嘘か本当か、という問題じゃないんですよね。
今回も応募制限はひとり3作まで、ということで、だいたいどんな内容のやつを書くか、あらかじめ決めておきました。
ひとつは、とにかく怖さを優先した、正統派の怪談を。やっぱりね、怖い話って、オーソドックスな話だと思うんですよ、僕は。創ったのは「待っている」という話。当時暮らしていたマンションを舞台のモデルにして、ありがちな「日に日に接近してくるオバケ」を描いたやつです。
ふたつめは、キラーシリーズ(笑)。今回は「フナキラー」でいきました。これでも喰らえ。
最後は、ちょっとひねった話を──と思って書いたのが「塀の向こうから」という、臨死体験というか死後の世界っぽい話。なのですが、ちょっとインパクトが弱いかなーと思って、もうひとつ追加で「楽光師匠最期の高座『死神』の録音テープ」というやつも書きました。これはもちろん落語の「死神」をモチーフにした話。明らかに後者のほうが外連味があって目につくかなと思って、こちらを応募しました。
で、結果は……「楽光師匠最期の高座『死神』の録音テープ」が福澤徹三さん選考のベスト50に入りまして、『てのひら怪談 庚寅』に掲載される運びとなりました。
とりあえず、怪談として書いた作品が怪談本に掲載されることになって、ひと安心といったところでした。
ちなみに、どうでもいい余談ですが、題名の「楽光」という噺家の名は、僕が好きな、元噺家の芸能人おふたりから一字ずつ拝借して作りました。「楽大」と「笑光」です。
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