改めて原点回帰の気持ちも込めて、今日のブログにもこの項だけを載せておきます。(長くて恐縮です)
この文章は2000年くらいに書いたものですが、気持ちや動機など変わっていないので...
「何故トランス☆プロジェクトをしているのか」と良く聞かれます。
私自身明確な答えを持っているわけではないのですが、考えてみると 私自身、子供の頃から「なりたい自分」がいて、でもその理想には「なれない自分」がいて、その「なれない自分」を認める事が出来ずにいたと思います。それがGIDの人と接しているうちに「ありのままの自分」を認める勇気をもらったように思います。
GIDの人と出会って、「まず 今の自分を認めることから出発する大切さ」に気づかせてもらいました。たとえダメなところがいっぱいある自分でも、そういう自分を見つめることで次へ進んで行ける...そんな気がします。
私は当事者ではありません、と同時に自分らしく生きようとしている意味では 私の中では同じなのです。勿論、そんな事を言ったら「悩みの深さが全然違う」「やっぱり当事者のことは当事者にしかわからない」という人もいるでしょう。おそらくそうだと思います。
同じ土俵に立つ為には、少なくとも、GIDの人たちが望む生き方を大きく阻んでいる法律の改正(戸籍の改正など)がなされ、「治療」に保険が利くようになり、偏見がなくならなければならないと思います。(戸籍については2003年7月16日に特例法が認められ、条件付きではありますが、1年後の施行を待って、戸籍の性別の変更を認める道が開かれました。)
それでも私の中では、決して他人事ではない、と思っているのです。みんなが生きたいように生きられる、少なくとも他人から阻まれる事のない社会は誰だって望んでいるのではないでしょうか?
では、その為に私に出来る事は何かと考えました。そして、GIDをテーマにした舞台を作ったらたくさんの方に観てもらえると思ってトランス☆プロジェクトを立ち上げました。プロデュースなんてしたことがなかったので それがどんなに大変な事か全く知りませんでした。もし知っていたら、もしかしたら始めていなかったかもしれません。お金も必要だし、たくさんの人の協力も大切です。何もない私が舞台をプロデュースする事がどんなに無謀な事か気付いた時にはもう戻れない処まで来ていました。それでも幸いな事に本当に人との出会いに恵まれ、次々に協力を申し出てくださる方が現れ、ボランティアで手伝ってくださっています。そういう方々に支えられて立ち上げた1998年から今年でもう14年、昨年の1月には第6回目の本公演を吉祥寺シアターで上演しました。
ほとんどの偏見は知る事でなくなると思います。事実を知ってもらって理解をしてもらえたら、もしかしたら、社会の制度も変わるかも知れません。実際2003年、春に行なった私たちトランス☆プロジェクトの[ハローワークにて]という事実を元にした寸劇を見て衆議院議員(当時)の家西悟さんが国会で質問をして下さり、ハローワークの性別の記載が見直されるようになってきているそうです。私たちの活動が目に見える成果をもたらしたのです。続ける事の大切さを感じました。
勿論トランス☆プロジェクトのメンバーには当事者の方もいます。最初の私の呼びかけに対して協力を申し出て、ずっと私を支えてくれています。その人たちがいてくれなかったら私はとっくに挫折していたと思います。彼らはトランス☆プロジェクトで「自分の居場所を見つけた」と言ってくれました。そして、私もまたそうなのです。彼らのお蔭で「ありのままの自分を解放できる場所…それがトランス☆プロジェクトだ」と言えるようになりました。私はGIDの人から教えてもらった事、「もっともっと自分の生き方を考え、ありのままの自分を認める勇気」を感じ続けて行きたいと思ってトランス☆プロジェクトを続けている気がします。
トランス☆プロジェクト 代表 月嶋紫乃 (2012年6月 編集)


