ながらくのご無沙汰、失礼いたしました。
今週の火曜日、11月19日はリンカーンがゲティスバーグ演説を行ってから150年目にあたるそうで、この演説関連の記事が散見されます。
数字の20を表す “score” という言葉の例として、授業でも時々お話してきましたが、今日L.A. Times に掲載されたRonald C. White Jr. 教授の寄稿文からアンテナにひっかかった部分をいくつかご紹介したいと思います。
まず、この演説が米国初の国立戦没者墓地(first national military cemetery) の奉献(ほうけん)式(dedication ceremony) の計画段階で、ハーバード大学のエヴァレット前学長に基調演説(main address)を、その後リンカーンには「何か適当な短いスピーチを(a few appropriate remarks.)」行うよう依頼されて出来たものとあり、”Definitely second fiddle.” とあります。(オーケストラの主席バイオリンと比較した第二バイオリンから来た言葉で「副次的な」)
リンカーンは文章を書くにあたり、推敲を重ねることの重要さを理解していて、(He understood there is no such thing as good writing; there is only good rewriting.) 演説前夜も書き直しの作業を続けた(…Lincoln continued to edit his address…)そうです。このあたり、耳が(目が?)痛いです。
奉献式当日、エヴァレットが2時間8分にわたってしゃべり続けたあとに登場したリンカーンは、眼鏡に触れて(adjusted his spectacles)から、あの有名な “Four score and seven years ago” で始まる2分ほどの演説を行ったそうです。
記事はこのあと、演説の説明が続いた後、アメリカで大学入試に必要なSATテストの作文などを読む試験官は、近頃の高校生が分かりやすい文章を書けず、大袈裟な単語に頼って立派に見せようとする(they try to impress by resorting to big words.)と嘆いている、と続き、彼らはリンカーンをお手本にすればよい(let Lincoln be their guide)とあります。更に、この演説に使われた272単語のうち204単語は1音節の単語で、リンカーンが聖書やシェイクスピアの作品などで慣れ親しんだ単語であると指摘します。(In his 272 words, 204 were sturdy one syllable words, the kind he so appreciated in the Bible and in Shakespeare.)
いまの時代にゲティスバーグ演説を読むなら、リンカーンが話したように、ゆっくりと読むこと。時間をかけて、言葉のエネルギーを味わうこと。言葉は、エイブラハム・リンカーンにとってすさまじいまでに重要であった。我々にとっても重要でなくてはならない。(Words fiercely mattered to Abraham Lincoln. They ought to matter to us.)と締めくくってあります。
全文を読む元気のある方は是非、http://www.latimes.com/opinion/commentary/la-oe-white-gettysburg-lincoln-20131117,0,6949197.story#axzz2kwLWlGo5
を御覧ください。
演説についての解説も、分かりやすい英語で書いてあって、とても魅力的です。演説そのものも、もう一度ゆっくりと味わいながら、読んでごらんになるのもいいと思います。奉献式でのスピーチだけあって、”dedicate” という言葉が何度も出てきます。授業で「肖像画美術館」を扱ったときに、dedication の訳に悩まれた方も多いと思いますが、リンカーンのスピーチを読んで、この言葉のイメージをうまく掴めるといいですね。