未だ色褪せぬ名曲、とらドラの後期ED「オレンジ」
その歌詞を紐解いて、ヒロインたちに歩み寄っていきたいと思います。
”眠れない夜には
ひとりでため息
みんなはどうなの?
なんだか寂しい
らしくないなんてね
笑うのはやめて
ホントの私を
知らないだけだよ”
恋に悩む少女の姿。そのまま受け取ってもらって問題はないです。
誰にも相談できず、その感情を表に出すことの出来ない少女なんだろうと想像できます。
”広い大地に ひと粒の種
根っこ伸ばして
まだ青い 実をつけた”
この曲のオレンジは、恋の暗喩です。
種はまだ恋と判断できない感情。それが成長して恋が実る。
青い実なので、まだ未熟な状態。
”オレンジ色に 早くなりたい果実
キミの光を浴びて
理想や夢は膨らむばかり
気づいてよ ねえ”
光とは、影に隠れていると浴びることが出来ない。
つまり、好きな人のそばでで恋心を育てたいのでしょう。
そして光とは成長に不可欠なものですから、自分と違うところを照らしていると恋が実らない。理想や夢では成長ができないので、この気持ちに気づいて欲しいと願う。
”オレンジ 今日も食べてみたけど
まだすっぱくて 泣いた
私みたいで残せないから 全部食べた”
まだこの恋は甘く実ってはいなかった。
甘いと思わせてすっぱい裏腹なところが、ヒロインたちに似ている。
また全部食べるとは、体の中に取り込む=恋心を隠す、と解釈しています。
”似てても違うよ マンダリンオレンジ
友達 恋人 二人のココロも”
マンダリンオレンジとはオレンジとは近似種ですが、オレンジより甘みがあるのが特徴。
甘酸っぱい友達と、甘い恋人、似てるようで違う距離感が表れていると思います。
”傷つきたくない 私は逃げてた
そしたら光も 射してはくれない”
前述した、光の比喩を補足してます。
遠く逃げてしまうと、その分成長から遠ざかってしまいます。
”奇跡なのにね 出会いも恋も
種もつぼみも まだ青い実でさえも”
Aパートにあった、”広い大地”で偶然蒔かれた種。それが出会うのも、成長して恋に落ちるのも、全て奇跡なんだと謳ってます。
”オレンジ色は あの日見た夕焼けを思い出させてくれる
二つの影が手を繋いでるみたいだった”
夕焼けが陽炎で滲んでる景色が浮かんできます。要約すると「オレンジ色になれば(恋が実れば)二人一緒になれると夢見た」って感じでしょうか。
”オレンジいつか 甘くなるかな
それともしぼんじゃうの?
私の未来知りたくなくて 全部食べた”
この恋は実るのだろうか、それともその前に落ちてしまうのか。それを知りたくなくて、心の中に閉じ込めてしまった。
恋に臆病になってる様子が目に浮かびます。
”オレンジ色に 早くなりたい果実
キミの光を浴びて
理想や夢は膨らむばかり 気づいてよねえ
オレンジ 今日も食べてみたけど
まだすっぱくて 泣いた
私みたいで残せないから 全部食べた”
この恋を実らせたいけど、知るのが怖くて逃げてしまった。気づいて欲しいけど、隠してしまった。そんなアンビバレンスな感情が描かれている。
また、一口食べて泣くほど酸っぱいのに、それでもその感情を残さず食べていて、隠す辛さ、苦しみも伝わってきます。
このままでは何も始まらないことは、少女にもわかっているはず。Bパートで”私は逃げてた そしたら光も射してはくれない”と詞になっています。
とらドラのヒロインたちは、みんな恋心を胸の内に秘めてます。その恋心を実らせるためには、逃げずに立ち向かわなければいけないと感じさせる曲だと思います。
それでは今日はこのへんで。ここまで読んでくれてありがとうございました。
北村への恋心を実らせようと前へ進まなければ、竜児に出会うことさえ無かった。その勇気が、世界を変えたんだ。