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マンデル=フレミング・モデルとは開放経済(資本移動の自由が保証されている国、例えば日本、アメリカ、イギリス、スウェーデン、カナダなど)におけるIS/LMモデルの導出をさします。資本取引規制が撤廃されてからマクロ経済政策の効果は以前とは全く変わってきています。そこで、今回はマンデル=フレミング・モデルに基づいて開放経済下の財政・金融政策の効果を見ていきましょう。
まず、財政政策です。均衡予算を維持していた政府が医療費に財政支出を拡大したとします。この時、IS曲線は右上にシフトし、金利を引き上げ、産出量を増加させます。財政支出を拡大すれば必ず国債を発行するので邦貨建て国債の供給量が増加し、邦貨建て国債の価格が下落、金利が上昇します。邦貨建て国債の金利が上昇すると期待収益率が増え、邦貨建て国債が購入され外貨建て売却が購入されます。そうすると、外国為替市場で邦貨買い外貨売りが起き自国通貨高になります。また、政府支出を増加すると需要が増加し、それによって産出量が増加します。産出量が増加するにつれて貨幣需要が増加し、債権需要が減ることから金利が上昇し、自国通貨高になるとも説明できます。
高い金利は実物投資を抑制する危険性があり、自国通貨高は純輸出、あるいは対外直接投資による利潤を減らすので政府支出のGDPギャップ解消の効果はいくらか抑制されます。
このように、開放経済下では拡張的財政政策は自国通貨高をもたらし、自国財から外国財に需要がシフトしていくため、閉鎖経済と比較してGDPに対する効果が弱まります。
次に、金融政策を見ていきましょう。日本銀行が金融引締政策を取ったとします。産出量は一定として貨幣供給が減少すると金利は上昇します。つまり、LM曲線が左上にシフトするということです。金融引締政策は産出量の減少、金利の上昇、自国通貨高をもたらします。この根拠は財政政策と同様で金利が上昇すると邦貨建て国債の魅力が高まり、自国通貨高のトリガーとなります。高止まりした金利と自国通貨高は需要と産出量を減少させます。しかし、産出量が減少すると、貨幣需要が減少し、金利が下落します。その結果、当初の金利の上昇の一部と自国通貨高の一部が相殺されます。閉鎖経済下での金融引締政策と比較すると自国財から外国財に需要がシフトするので金融引締政策のGDPに対する効果が強まります。
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