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金融市場にはあまりなじみのない用語がたくさん出てきています。
そこで今回はその用語の一部を解説したいと思います。
債券は政府が赤字をファイナンスするため、あるいは企業が実物投資をファイナンスするために発行されます。政府あるいは政府機関によって発行される債券を政府債(代表的なものは国債)と呼び、企業によって発行される債券を社債と呼びます。
債券はスタンダード&プアーズ・コーポレーション(S&P)とムーディーズ・インベスター・サービスという2つの民間格付け会社によって貸し倒れリスクをもとに格付けされます。ムーディーズの債券格付けは実質的に貸し倒れリスクのない債券Aから貸し倒れリスクの高い債券につけられるCまです。一般に格付けが低ければ、その債券の利子率は高くなる。ある債券に支払われる利子率ともっとも高い格付けの債券に対して支払われる利子率の差をリスク・プレミアムと言います。
高い貸し倒れリスクをもった債券はジャンク債として知られています。ジャンク債は非常に高い利子率を高い利子率を約束していたため、1980年代には金融投資家に非常に人気がありました。しかし、債務不履行になるジャンク債も出てきたことから、ジャンク債は今日ではあまり人気がなくなっています。
満期に1回だけの支払いを約束している債券は割引債と呼ばれ、その1回の支払いを債券の額面価値と呼びます。また、満期前に複数回の支払いと満期に1回の支払いを約束している債券を利付債と呼び、満期前の支払いは利払いと呼ばれ、満期の支払いは割引債と同様に債券の額面価値と呼ばれます。そして、額面価格に対する利払いの割合はクーポン・レートと言います。経済学的観点からすると、クーポン・レートも現在利回りも注目に値しない尺度です。なぜなら、各経済主体が参照する利子率は最終利回り、すなわち満期までに債券によって支払われる平均利子率であり、経済学の関心はこの尺度を用いて各経済主体がどのように意思決定を行うかを考察することだからです。
ここで政府債の種類について説明しようと思います。政府債は以下の2つに分けられます。まず、1つ目は1年以下の満期をもった短期債であり、2つ目は1年を超える満期をもった長期債です。日本では、ほとんどすべての債券は固定された名目の支払い、つまり円での支払い流烈を約束する名目債券になります。しかしながら、ほかのタイプの債券も存在します。それは 物価連動国債と呼ばれ、固定的な名目の支払いではなく、インフレーションに対して調整した支払いを約束している債券です。物価連動債は債券保有者をインフレーションのリスクから守ってくれるため多くの国で人気があります。特に、イギリスで重要な役割を果たしています。イギリスではこの20年間で、人々は退職に備える貯蓄としてますます物価連動債を利用するようになっています。長期の物価連動債をを持つことで、彼らが引退したとき受け取る支払いがインフレーションから守られることは確かなことです。また、物価連動債は期待インフレ率を指標化したブレーク・イーブン・インフレーション・レイトに応用されていて、日本では2004年から発行されています。