人としての尊厳を守る介護 〜鹿児島「いろ葉」の奇跡〜
WaRa塾の船越康弘さんと鹿児島の老人介護施設「いろ葉」代表・中迎聡子さんとの対談が、あまりにも深くて感動的でした。
普通、老人介護施設では、外に出られないように二重の鍵がかかっていたり、利用者の多くがオムツを使用していることが一般的です。
けれども、「いろ葉」では、なんと寝たきりの方でさえ、ほとんどオムツを使っていないのだそうです。
「え?どうやって?」と思いますよね。
実は、スタッフが一人ひとりを丁寧に観察し、「そろそろトイレに行きたそうだな」と感じたタイミングでトイレに連れて行くそうです。
すると、ちゃんと排尿できるのだとか。
大便も同じです。
もし間に合わず失敗してしまったときは、スタッフがこう声をかけるそうです。
「気づいてあげられなくてごめんね。」
その言葉に、胸が熱くなりました。
赤ちゃんのオムツでもそうですが、どんなに吸収性が良くても、やはり蒸れて気持ちの良いものではありません。
でも、介護する側にとってはオムツを履かせておく方が圧倒的に楽です。
それは、「こちら側の都合」なんですよね。
それでも「いろ葉」では、人としての尊厳を最後の瞬間まで大切にしている。
亡くなるその日まで、オムツではなく、自分の意思でトイレに行くという「当たり前」を支えているのです。
こんな施設があるなら、私も、親をぜひお願いしたいと思いました。
そして何より、「人間として生きることの意味」を改めて考えさせられました。