こんにちは、野上徳子です。
いよいよ本格的な夏がやってきましたね。
日差しも強くなり、外を少し歩いただけで汗ばむ季節です。
最近、診察室でも「なんとなくだるい」「頭がボーっとする」という方が増えてきました。
もしかしたら、それ、熱中症のサインかもしれません。
「喉が渇く前」に飲む
水分補給って、つい後回しになりがち。
でも、喉が渇いたときにはもう遅いんです。
私は午前中にペットボトル1本(500ml)、午後に1本のお水を飲むようにしています。
タイマーをかけて、1〜2時間おきにコップ1杯(150〜200ml)のお水を飲む方法もお勧めです。
そして、汗をたくさんかいた日は、水だけでは足りません。
私は、そんな日は味噌汁や梅干しなどで“塩分”も一緒に摂るようにしています。
なぜなら、汗と一緒に体の中のナトリウム(塩分)が失われるからです。
水だけをがぶ飲みしてしまうと、体液が薄まり、血液中のナトリウム濃度が低下してしまいます。
これを低ナトリウム血症といいます。
低ナトリウム血症になると、
- めまい
- 頭痛
- 吐き気
- 脱力感
- 意識がもうろうとする
といった症状が出て、重症になるとけいれんや昏睡状態に陥ることもあります。
これはいわゆる「水中毒(水毒)」とも呼ばれ、特に高齢者や子ども、運動をしている人に起こりやすいので注意が必要です。
コーヒーや緑茶は不向き
さらに意外と知られていないのが、
コーヒーや緑茶などのカフェインを含む飲み物は、利尿作用があるため水分補給としては不向きだということ。
私も昔は「お茶を飲んでるから大丈夫」と思っていましたが、実は体の水分をかえって排出してしまうこともあるんです。
「水分をとってるつもり」が、逆効果にならないよう気をつけましょう。
何を飲めばいいの?
✅ 経口補水液(OS-1やアクアソリタ)
→ 医学的に成分が計算されていて、重度の脱水や下痢・嘔吐後の回復に最適です。
ただし味にややクセがあるため、常用より“非常用”に。
✅ スポーツドリンク(ポカリやアクエリアス)
→ 塩分と糖分をバランスよく含み、汗をかいたときの軽い補給には便利。
ただし、糖分が多いので飲み過ぎには注意。
✅ 味噌汁や梅干し、具だくさんスープ
→ 食事から自然に水分と塩分を摂る方法。
私は朝に温かい味噌汁をいただくことで、体調が整いやすくなりました。
「水分補給」は単に「水を飲む」ことではなく、体のバランスを保つ“細やかなケア”なのだと、私自身も年々実感しています。
今年の夏も、自分の体に優しく、
そして“がんばりすぎない”を大切に、過ごしていきましょう。
2025年7月19日(土)、20日(日)に
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