ダメ出しの専門家です
「ケーキの切れない非行少年たち」
ずっと気になっていた本です
なぜ少年はケーキを切る事が出来なかったのだろう・・・
あなたは
ホールケーキを3等分平等に切ってください
と言われたら
どんな方法でホールケーキを3等分しますか
いくつ方法を考えられますか
この本を買う前に
「なぜ非行少年たちはケーキを平等に切れなかったのか」
これを考えていました
家庭に恵まれず、
ホールケーキをみんなで食べる事が無かった
そのため「人数分平等に切る」
ということを見たことも無ければしたことが無い
お店でショートケーキやタルトは買った事があるが
幾人かでケーキを切って食べるというイベント自体が無かった
という理由を考えた
いや、もしかすると
ケーキを切ってしまうと
わずかながら経験した家族での楽しかった出来事が
終わってしまうような気がして、切る事が出来なかった・・・
答えはなんだろう・・・
しばらくそんなことを考える日が続き
いよいよ本を買って答えを見た
理由は
私が考えていたような事では無かった
まったく単純な事だった
彼らは計算が出来ず、漢字が読めない
ケーキを3つに切る事は出来ても
平等に、同じ大きさになるように
3つにカットする事が出来ないのです
そして
どうしたら答えにたどり着くことが出来るか
いろいろと試してみるという
トライ&エラーが出来ない
予測をする力がないのです
研修で話す
「社員が成長していくために必要な能力」
態度能力と実務能力
この本を読んで大きな気づきがありました
人が成長していくためには
3段階の能力のステップが必要であり
それは
第一段階は「知的能力」です
「基礎的な学習能力」である
読む、書く、読解力、計算、予測など
これが当たり前に一通りできないと
どんなにコミュニケーションがうまくても
どんなに仕事の能力を高めたいと努力しても
結局は基礎的な知的能力が無いために
その他の能力が蓄積されていかないのです
自分の子供が
ケーキを3等分平等に切る事ができるかどうか
わたしは、それは
家庭での日常の生活から覚えて行くものだと考えています
その他にどんな方法でカットする事が出来るか
様々な方法を学ぶ事が学校だと思うのです
子供たちが家庭と学校からきちんと
知的能力を伸ばすことが出来る環境づくり
日本はここが随分と弱くなっているように思います