1%の可能性を信じる男 | ダメ出しの専門家・激辛講師北村美由起

ダメ出しの専門家・激辛講師北村美由起

  鉄は鉄で研がれ人は人で成長する

高飛車子です


機内で見たある番組


ぶっ飛びスーパー公務員 「発想の来た道」  


ある男性役場職員の挑戦


舞台は石川県羽咋市 神子原地区 
57%が65歳以上のいわゆる限界集落


年間60万円の予算で神子原地区の限界集落をなんとかすること
これがこの男性に職員に与えられた任務だ


彼は条件を出した
市長に条件を出して引き受ける事にした


その条件とは「稟議しないこと」
市長に対して「○○してもいいでしょうか」
と聞かないで「○○しました」やったことだけを報告する
これが彼の条件だった



30歳で家業の寺をつぎ

田舎のお寺はそれだけでは生活が出来ない
臨時職員という求人を見てアルバイトで役場に入る
そして週末だけお坊さんになる


役場に入って思った、
企画書、計画書は立派だ、
5年計画、10年計画と立派なのに

現実をかえる力がない



~発想の種~

神子原の農家の年収は87万円、低所得に驚いた
理由は農協に米を出すために
自分で作った米に自分で値段をつけることができない


米の値段をあげるためには
知名度を上げなければならない


ブランド米が必要だ


棚田で作る神子原米は機械を使わないので
すべて手作業で手間がかかる

ならばもっと高い値段で売りたい


誰が食べたら有名になるのか
芸能人か?料理家か?  


ローマ法王に食べてもらおう!


神子原は英語にすると神の子の高原、神の子はイエスキリスト
こじつけだが法王に手紙を書いた



「法王が召し上がっていただける可能性は
1%もないでしょうか?」



可能性が1%でもあるならやる価値はある
すぐにあきらめてはいけない


彼は限界集落の再生失敗例を114例調べた
しつこくリーサーチをする


自分の部下が
「できませんでした。無理です」というと
「何をどこまで調べてその答えを出した?」と聞くという



低所得から脱出するためにも

村びとに農協に頼らない,援助金に頼らない

自主販売の会社の設立を勧めた


けんもほろろ

会議はいつも白熱し罵倒される

机をたたかれ、火のついたタバコが投げつけられる

「だったらおまえがやってみろ、米も作った事がないくせに」
議員から役場内からクレームがあがる



このとき上司が
「犯罪以外は責任を取るからやってみろ」
これがなによりもうれしかったという


よしやってやろう!と思った


空き農家、空き農地を貸出移住者を受け入れた
どうぞ来てくださいではなく

来るならどうぞ、その代り覚悟して来てください

この地区への移住者は村人から質問を受けるという試験がある
それに合格した人だけが移住できる

腹をくくってこの村に来るのか?それを試す事が必要だった


定住率は100%


法王に手紙を書いてから数ヵ月後

バチカン大使館から電話がきた


45kの米をかついで東京の大使館へ行った

バチカンは世界一小さな村だ


大使館から戻ると二日後には預かっていた米が売れ出した
13,000円だった米が42,000円の値をつけた 


すべて米は売れた


移住者の定着率は100% 
高齢者率は54%→47%限界集落を脱出した



村人は資金を出し合い株式会社を作った
そこで神子原米をつかった日本酒造り販売することにした


売れる日本酒をつくるためにターゲットは外国人
外国人が好むお酒を作る


外国人が絶賛すれば日本人はほってはおかない


外国人が好むお酒を調べると
次の言葉が使われている事がわかる

「ワインのような」「フルーティーで。。。」


だったらワインに近づければいい


外国人にはワインに近いお酒が好まれると知り

それならいっそ、と米酵母ではなくワイン酵母で日本酒をつくった


あたった!


外国人記者クラブのメンバーに試飲をさせて評価させた
 絶賛の声が新聞に載るとお酒は注目を浴びた


そのお酒についた値段は

一本3万円


その後神子原の住人は直売所を作り
米、野菜などを販売するようになった



農家の人が言った
「農家を続けてきてよかった」


うれしかった


農協の組合長も協力に入る


「こんな地位も名誉もお金もいらないという人なんかいない
この人は神子原の事を真剣に考えている」



1%の可能性を信じる男


感動した


私にとっての1%とは=不可能


たった1%を信じられる、信じて行くこの人の勇気と強さ

どんなに可能性が高くてもやらない人は何もやらない


あれやこれやと出来ない理由ばかりを並べ

やろうとしない


自分の夢を叶えたという人はいても

人の夢をここまで叶えた人は


はたしてどれだけ日本にいるのだろうか・・・



1%を信じる


感動した番組でした