私とTAの出会い
私とTA(交流分析)の出会いは、
とある講演会で聞いた「スーザン」という女の子の記録映画の話を聞いた事から。
1歳10ヶ月になるスーザンという女の子が入院した時、
体重は5ヶ月児、身長は10ヶ月児程度。歩くこともはいはいすることすら出来ず、カタコトをしゃべることさえもできなかった。
病院であらゆる検査を行うが、これと言って異常は見つからない。
原因がわからなかった医師は、
3週間もの間一度もスーザンに会いに来なかった両親に気づき、両親を呼んで面会を行った結果・・・。
病名を「母性的愛情欠乏症候群」と診断。
機能的な問題ではないと確信した。
愛情不足が身体の発達に影響を及ぼしている!と。
それから、ボランティアのナースを募り、
スーザンにストロークを与え続けた。
ストロークとは、その人の存在を認める働きかけであり、
具体的には
なでたりさすったり、優しい表情で優しい言葉をかけるなどの行為をいう。
はじめは、ナースが近づくだけで泣いたり怖がったりしていたスーザンだが、3ヵ月後には、
笑顔で話しかけると笑顔が返ってくる、
何よりも、
身長も体重もどんどん成長し、
一人で病院の廊下を歩き始めるところでこの映画が終わる。
そのころ、カウンセリングの勉強を始めたばかりの私は、
精神が身体に及ぼす影響を知り、
もっと深くこの交流分析を学びたいと思ったことがきっかけでした。
学ぶ課程において、自分のいつものコミュニケーションのスタイルを反省したり、
人と向かい合う時の「自分なんて」と自己卑下してしまう心のクセに気づいたり・・・。
私自身、周りに合わせることで、
人との衝突はほとんどありませんでしたが、
自分との衝突、葛藤の中でずいぶん長い間生きていたのだと、初めて気がつきました。
「周りに合わせる」ことが自分を守ることであり、
そのことで自分自身が形づくられていたとしたら、
良いことであれこそすれ、ストレスの原因にもなりえるなんて思いもよりませんでした。
今では、そんな自分を愛しむことができるようにまでなりました。
今年の24時間テレビでエドはるみさんが、
「人はいつからでも変われる」という名言を
残しましたが、それはTAの哲学でもあります。
すべては「気づき」から始まります。
人は自分が気づいてはじめて変わろうと決心します。
自分で気づくことができる・・・。
TAの最大の魅力だと思います。