タイで2023年5月14日に投開票された下院の総選挙。

元々、野党が勝利するのは確実視されていて、10年近く続いてきた親軍政権から交代するコトは明らかだったけれども、「前進党」が第1党になるコトに。

 

元々、政権が安定しないタイ。

日本にいるとなかなかそのイメージはナイのかも知れませんが、クーデターで追放されたタクシン元首相派と、軍部の流れをくむ保守派。

その対立構造が、長年続いてきた。

 

が、今回は、野党の中でもタクシン派が率いている「タイ貢献党」が第2党になり、若年層の支持を集めた「前進党」が第1党に。そして、「前進党」と「タイ貢献党」で過半数を確保した形になった模様(正式な議席確定はまだ)。

 

野党圧勝。

ただ議会規則は軍政によって軍に有利になっている。

軍政によって任命された上院議会もあり、上院はまだまだ軍政支持だろう。

さらに「前進党」と「タイ貢献党」も違いがある。

正式な議席確定は、まだ先になるとは思うが、どのぐらいの差が両党で出て、それが今後、どのように影響していくのか…と言う感じもある。

開票率98%時点での推計は、「前進党」が149議席なのに対して、「タイ貢献党」が138議席と、結構、拮抗していますからね。

 

さらに王室改革も、今後、1つの課題になる。

 

どう転んでも、まだまだ不透明感がある。

と言うか、「前進党」がここまで躍進すると言うのは、どの党にとっても、想定外だったのでは?と。

 

個人的には、政権は安定して欲しいと思うけれど、こうして民意によって政権が変わると言うのは、羨ましさを感じる。

 

日本だと、やっぱり自民党が勝ちますからね、なんだかんだ言っても。

先日の補欠選挙だって、もうちょっと野党が踏ん張るのかな?と思ったけれど、和歌山以外は取った訳ですし。

逆に言えば、和歌山は二階さんの地元(選挙区は違うけれど)。

さらに有力者が多くいるし、岸田首相も襲撃された場所で同情票だって入る余地があった。

そして小池都知事まで応援に入ったのに、負けるって、それはそれで衝撃的だけれど。

 

野党が弱すぎる日本。

二大政党制が機能しないのであれば、中選挙区に戻して、少数意見をもっと取り入れるようにならないのかな…と、タイの選挙情勢を見ていて、そう思ったりも。

 

別に自民党が悪いと一概に言うつもりはないけれど、チェック機能が働くなっているのは、やはり問題のようにも思うんだよな。