を読んだ
どうも狐の話を読んで心を入れ替えなさいと説教された
名作と名高い作品なので、過去も読んでみようとしたことがあったと思うが、どうにも途中で挫折していた
しかし説教されて読まないわけにもいかず、とうとう読み切った
その内容はなるほど、これは挫折するだろうと言った内容で、説教されでもしなければ到底読み切る気持ちにはならなかったと思う
内容はシンプルで、星の王子さまたる自由人が、仕事に取り憑かれた人類を揶揄して、本当に大事なものは子供だけが知っているのだ、という啓蒙もの
これだと要約しすぎだが、とにかく大事なものを見失っており、心の目でみなさいと諭される
きつねの話というのは、一度面倒見たものには責任が伴うというような内容で、それはそうだがそうも言っていられぬ事もあろうに、という内容である
なにせ星の王子さまたるが、自由気ままで子供の権化なので、そうも言ってられないこともあろうに、という感想にアンサーがない
それは小説中に露骨に現れていて、主人公が王子様に何か問いかけても返ってこない
レトリックとか暗喩されたテーマに対する回答とかじゃなく、シンプルに小説中の会話がそもそも成立しない
そういうわけなので、これを読んだところで、そういうご意見もございやしょうね…
で終わるのである
こういうことを書くとやれ感受性だのやれ読解力だのと言われそうで嫌なのだが、手放しに責任と言われてもそれはそれで困る
心の目で何かを見ろと言うが、心の目たるを信じてもやはり美徳そのものを掴むことは難しい
美しい花はあっても、花の美しさはない、に拘泥する
たとえ花をガラスで覆ってやり、責任が生じたとしても、星の王子さまは星には帰ることができない
よしんば星の王子さまが帰って、やれ花なりやれ活火山なりを世話したところで、それは星の王子さまの話である
主人公は王子様に対してやっている責任というのは常に記憶にある、程度のものである
それで責任だというなら俺は忘れないだろう
そして記憶が責任というなら、それを放棄しているのはいったい誰だ