監督:内田けんじ

キャスト

 中村靖日(宮田武)

 霧島れいか(桑田真紀)

 山中聡(神田勇介)

 山下規介(浅井志信)

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典型的なお人好しの冴えないサラリーマン宮田武は,結婚を前提にマンションを購入した矢先,肝心の恋人あゆみに突然去られてしまう。ある晩彼は,親友で私立探偵の神田に呼び出され,とあるレストランへと向かう。神田はいつまでも前の彼女を忘れられない宮田を叱咤すると,その場で宮田のためにと女の子をナンパしてみせる。一人で食事していたその女,真紀はちょうど婚約者と別れ今夜の泊まる家もなく途方に暮れているところだった。そこで宮田は自分の家に泊まるようすすめ,2人で帰宅する。ところがそこへ,置きっぱなしの荷物を取りに来た,とあゆみが突然現われた…。(「Filmarks」より)

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 昨日,ネットを見ていたら少し古い記事になるが,今年の7月10日に俳優の中村靖日さんが急性心不全で死去されたというニュースが目についた。中村靖日さんと言えば以前内田けんじ監督の『運命じゃない人』を見て地味だけれどいい役者だなと思った記憶があり,この映画も細部は忘れているがなかなか面白かったので,追悼の意味をかねて再鑑賞した。

 

 ブログを始める以前は観た映画についての一口メモをEXCELに残していたので,そのファイルを検索すると,この映画は2014年9月16日に鑑賞していた。偶然にもちょうど10年前のことである。一口メモの欄を見ると,「ジグソーパズルのピースを当てはめていくどんでん返しは,なかなか面白い。同じ時間軸をいろいろな人物の視点から回収していく脚本は見事」という感想を残していたが,今回再鑑賞しても全く同じ感想である。今回の鑑賞で意外だったのは,真紀という名のちょっとダサい女性の役で出演していたのが若い頃の霧島れいかだったことで,『ドライブ・マイ・カー』の大人の女性の雰囲気とは全く印象が違っていて,映画が終わるまで霧島れいかとはまったく気がつかなかった。この作品はストーリーが実に緻密に計算されていて,ごく小さなエピソードについてもその理由などがきちんと回収されており,脚本の手堅さには感心するところが多々あった。