第68回有馬記念(中山競馬場 芝2500m)

 

 馬券を買うのはダービーと有馬記念の年に2回だけなのだが,今年のダービーはマグレで的中したので,どシロウトが調子にのって本日の有馬記念も予想してみた。

 イクイノックスが引退したおかげで,単勝一ケタ台の馬が7頭と大混戦の有馬記念になった。13時30分現在,単勝1番人気は⑩ジャスティンパレスの3.8倍。以下⑤ドウデュース(5.1),⑮スルーセブンシーズ(6.9),④タイトルホルダー(4.2),①ソールオリエンス(7.5)と続く。

 

まず,過去のレース回顧から。

 

●過去のレース回顧(数字は左から着順,1着馬との着差,コーナー通過順位である)

★宝塚記念 2200m 17頭

スルーセブンシーズ 2着 0.0  17-17-16-12    凱旋門賞4着

ジャスティンパレス 3着 0.2  12-13-11-9     天皇賞(春)1着 宝塚記念3着

ディープボンド       5着 0.4  7-7-8-6

ブラタリア     6着 0.4  11-10-11-12

  5F 58.9のややHペース。スルーセブンシーズは道中最後方でイクイノックスをピタリとマーク。4コーナー過ぎで一瞬前が詰まる不利。追い出してからの切れ味を見ると,あの不利がなければイクイノックスに勝っていたかもしれない。その後の凱旋門賞4着を含めてこの馬は相当強いと思われる。ジャスティンパレスは後方から4~5頭目を追走。4コーナー過ぎでスルーセブンシーズに少し寄りかかるシーンもあったが追い出してからはいい足を使っている。この馬もかなり強い。ディープボンドは中団追走でよく粘ってはいるがスルーセブンシーズ,ジャスティンパレスに比べると見劣りはする。

 

★菊花賞 3000m 17頭

タスティエーラ       2着   0.6  9-11-9-8    皐月賞2着 ダービー1着

ソールオリエンス    3着   0.9  11-12-12-8   皐月賞1着 ダービー2着

 5F 60.4のややHペース。タスティエーラは好位から競馬を進める。ロングスパートのほうがよいので,早めに仕掛けることができれば有力候補。ソールオリエンスだが,4コーナーではタスティエーラとほぼ同じ位置だが追い出しが遅れる。ゴール前はいい足を使ったが届かず。外を回しすぎ。距離にやや疑問? 3歳馬2頭の比較では,タスティエーラ>ソールオリエンス。

 

★天皇賞(秋)2000m 11頭

ジャスティンパレス 2着   0.4  10-10-10  天皇賞・春1着 宝塚記念3着

ドウデュース    7着   0.9  4-4-4

 5F 57.7のHペース。ジャスティンパレスは後方から2番手で進み,上がり33.7秒の脚で伸びるが,勝ったイクノイックスが強すぎた。今回有利な枠順だけに,やはり有力馬の1頭。ドウデュースは休み明けで体調がイマイチだったかも。

 

★JC 2400m 18頭

スターズオンアース 3着   0.8  4-4-4-4

ドウデュース          4着   1.1  6-6-6-6

タイトルホルダー    5着   1.5  2-2-2-2  オールカマー2着

ディープボンド       10着 1.8  6-6-6-6

 スターズオンアースは残り400mぐらいから追い出す。仕掛けてから加速まで少し時間がかかるが,加速すればいい脚を長く使える。今回,早めに仕掛けることができるかどうかがカギ。ドウデュースはスターズオンアースと同時に追い出すが通過順位の差が縮まらず。しかし,前走の「天皇賞」の時よりははるかによくなった。タイトルホルダーだが,逃げ馬が5F 57.6で大逃げを打ったため大きく離れた2番手を追走。この馬は61秒台か。東京より小回りのきく中山向きの馬のようである。

 

 以上より,馬の能力の一番手グループには⑩ジャスティンパレス,⑮スルーセブンシーズ,⑬タスティエーラ,⑯スターズオンアースを挙げたい。二番手グループには①ソールオリエンス,⑤ドウデュース,④タイトルホルダーを挙げておく。

 

●枠,展開

 有力馬として挙げた4頭のうち,⑮スルーセブンシーズ,⑯スターズオンアースは外枠に入った。中山2500mはスタートしてすぐにカーブに入り,そのまま4コーナーに差し掛かるため,外枠の馬は4コーナーで大きく外に振られる可能性があるため外枠は不利なコース形態になっている。その分,⑮,⑯は割り引いて考える必要があるだろう。逆に⑩ジャスティンパレスは絶好の枠を引き当てたと言える。⑬タスティエーラは微妙だが,それほど大きく割り引く必要はないだろう。

 展開であるが,逃げるのは④タイトルホルダーだろうが,⑦アイアンバローズの出方が気になるところ。⑦がステーヤーズSの時のように大逃げを打った場合,④はJCの時のように2番手に控える可能性が高いが,⑦と先行争いになった場合は④にとってはキビシイ競馬になりそうだ。ここをどう読むかでペース,展開が変わってくるが,無難に⑦はそれほど競りかけることはしないで④が逃げ,⑦が2番手追走か,⑦が大逃げを打ち④が離れた2番手追走と考えたい。有力馬の動向だが,⑮,⑯は外に振られるのを嫌ってスタート直後,無難に後方に控えるだろう。⑩ジャスティンパレスは前走の「天皇賞」こそ後方からの競馬になったが,本来は好位で競馬を進める馬なので,枠の有利さを活かして5~8番手からの競馬になるだろう。⑬タスティエーラは前方集団の前,4~5番手からの競馬で早めに仕掛けることになるだろう。⑦は3~4コーナーで失速すると思われるので,4コーナーでは逃げる④に⑬タスティエーラ,⑩ジャスティンパレスが迫り,⑮,⑯が外を回って上がってくるだろう。直線では⑬,⑩が④を交わして抜け出したところに⑮,⑯が迫ってきたところがゴールになるだろう。

●結論

 今の中山はなぜか馬場状態が非常によいらしく,前を行く馬が止まらない可能性が高いので,それを考えると⑬,⑩での決着の可能性が最も高い。この2頭に割り込むとすれば高速馬場で33秒台で上がることもできる⑮,⑯のどちらかだと思われるが,⑮,⑯で決着することはないだろう。大混戦だが,ほぼこの4頭での決着と見た。①ソールオリエンスの取扱が難しいが,現状ではタスティエーラとの勝負付けは終わっていると思われるので,来ても3着止まりと見る。現在2番人気の⑤ドウデュースだが,ピンとくるものがないのでカットする。あと,馬場状態を考えて④の粘り込みがあるかもしれないとは思うが…。

馬券はすべて馬連で。

大本線 ⑩-⑬ 10.7

本線  ⑩-⑮  14.1

本線  ⑩-⑯  22.6

本線  ⑬-⑮  22.8

本線  ⑬-⑯  22.8

押さえ ④-⑩  19.1

押さえ ④-⑬  35.7

 

 ど素人のこの予想に乗って馬券を買う人はいないと思いますが,馬券購入はくれぐれも自己責任でよ   ろしく。

 

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「有馬記念」レース回顧

 

着順は以下の通り。

1  ドウデュース             

2  スターズオンアース

3   タイトルホルダー

4   ジャスティンパレス

5   シャフリヤール

6   タスティエーラ

7   ウインマリリン

8   ソールオリエンス

9   ハーパー

10  ホウオウエミーズ

11  アイアンバローズ

12  スルーセブンシーズ

13  ライラック

14  プラダリア

15  ディープボンド

16  ヒートオンビート

 

 予想で「ピンとくるものがない」としてカットした⑤ドウデュースが1着。全く完敗の予想になってしまった。馬の状態がよかったこともあるだろうが,馬場状態を考慮して3~4コーナーで進出して早めに仕掛けた武豊の勝利であった。

 予想での本命⑩ジャスティンパレス,⑬タスティエーラについて。⑩ジャスティンパレスはスタートが最悪だったことが大きな敗因であろう。他馬に包まれる形で最後方からの競馬になってしまったことに加え,早めに進出できなかったことが響いた。最後は追い込んできたが,それほど切れる脚があるわけではないので4着止まり。⑬タスティエーラは馬体重が前走よりプラス18kgで体調がイマイチだったと思われる。道中も中団やや後方で行きっぷりが本当に悪かった。

 他の⑮スルーセブンシーズ,⑯スターズオンアースの2頭について。⑯スターズオンアースはスタート直後2番手につけて終始前での競馬。さすがはルメール騎手といったところだ。⑮スルーセブンシーズの凡走については原因がよく分からないが,海外競馬帰りで調整が難しかったのかもしれない。④タイトルホルダーはマイペースでの逃げ。馬場状態にも助けられて3着に粘りこんだ。