監督:堀部圭亮
キャスト
内野聖陽(安井三郎)
佐津川愛美(愛敬香)
モト冬樹(牧原静雄)
斎藤工(小川順)
芦名星(須藤陽子)
本上まなみ(小川麻奈美)
**************************************
エレベーターに閉じ込められてしまった刑務所帰りの三郎,他者の心が読める超能力者の静夫,妻の出産立会いに向かう順,自殺願望を持ったゴスロリ少女のカオリ。4人は救助の来ない密室で秘密を暴露しあっては互いに不信感を募らせていくが,エレベーターの外では更なる悪夢が4人を待ち受けていた。木下半太の処女小説を,TV構成作家の堀部圭亮が映画化。(「映画.com」より)
**************************************
前半と後半でかなりテイストが変わる映画。前半はあるマンションのエレベーターに偶然乗り合わせた4人の男女がそのエレベーターに閉じ込められてしまった状況の中で,お互いの素性が徐々に明らかになっていく過程がコミカルに描かれ,どのような結末を迎えるのかと興味津々で惹きつけられた。いわゆる密室劇なのだが,エレベーターの中で交わされる4人の遣り取りがとても面白く,私好みのシチュエーションだ。特に,内野聖陽が気の弱いオッサンになったかと思うと,急にガラが悪くなったりと観ていて飽きさせないところはさすがだ。
ところが,この映画は途中で「あ~,そういうことだったのね」と,4人がなぜエレベーターに閉じ込められているのかが分かることになるのだが,その辺りから映画のテイストがサスペンスタッチになっていき,ラストで大ドンデン返しがあって,The Endとなる。後半はやや肩すかしを食った感じがしなくもないが,全体としてはうまくまとめられているのではないだろうか。
ところで,この映画,プロ野球の試合が終わり,観客もまばらな観客席で安井がビールを飲んでいるシーンに,人生を野球に例えた安井自身のナレーションが被るところから始まる。
「人生を野球のペナント争いに例えるなら,どれだけの人がまだ優勝争いに残っているだろう?どれだけの人の人生がまだ消化試合じゃないと言うんだ?」
エンディングも人生を野球に例えたナレーションで終わる。そこで,今回の記事では映画の流れに即して登場人物を野球に例えてみたくなった。
● 牧原静雄
守備は上手いが打率2割2分程度で,ゲーム終盤に守備固めで出てくる典型的な控え選手。シーズン終了後に戦力外通告を受ける可能性が大いにある。
● 小川順
昨年のシーズンオフにFAで安井が監督を務める球団に移籍してきたスター選手。本日の試合,3-0とリードしている8回表に先頭打者でヒットを打って出塁するも,盗塁のサインが出たためにリードを大きく取り過ぎて相手投手の巧みな牽制球でタッチアウト。牽制死を喰らう。
● 安井三郎
牧原や小川が所属するチームの監督。本日は順調なゲーム運びで,8回表で3-0とリードするまではよかったが,小川の牽制死から采配が狂ってきて,8回裏に相手チームに2点を取られ3-2と追い上げられる。
● 愛敬香
安井の率いるチームの対戦相手のチームの選手。9回裏3-2と1点リードされながら2アウト満塁で打席に立ち,サヨナラ満塁ホームランを放つ。ただ,安井の球団の投手を買収して打たせてもらったのではないかという疑惑を持たれる。
映画の展開を踏まえて上のような例えを書いてみたが,どうだろうか?
