安倍元首相銃撃事件 初公判 被告は起訴内容認める 奈良地裁

 NHKニュース 配信より

 

安倍元首相銃撃事件 初公判 被告は起訴内容認める 奈良地裁 | NHKニュース 配信より

 

奈良市で安倍元総理大臣を銃撃したとして殺人などの罪に問われている山上徹也被告の初公判が、奈良地方裁判所で開かれ、被告は「すべて事実です。私がしたことで間違いない」と述べ、起訴された内容を認めました。

山上徹也被告(45)は3年前の2022年7月、奈良市で参議院選挙の応援演説中だった安倍元総理大臣を銃撃して殺害したとして、殺人や銃刀法違反などの罪に問われています。

28日、奈良地方裁判所で開かれた裁判員裁判の初公判で、被告は「すべて事実です。私がしたことで間違いない」と述べ、起訴された内容を認めました。

一方、被告の弁護士は銃刀法の「発射罪」について、「当時の要件だった『拳銃等』には当たらず、成立しない」などとして一部の罪について争う姿勢を示しました。

検察は冒頭陳述で、「被告は思い描いていた人生を送れなかったことを旧統一教会のせいだと思うようになった。安倍元総理大臣がビデオメッセージに出ていたことを知り、襲撃すれば旧統一教会に批判が集まると考えた」と説明しました。

また、「不遇な生い立ちについては争いはないが、被告は当時、40代の社会人で規範意識もあった。元総理が大勢の聴衆の前で殺害された、戦後史に例を見ない犯行だ」と述べました。

一方、被告の弁護士は、「被告が小学生のときに旧統一教会に入信した母親は、財産を出すことが家族を救うことにつながるとして父親の生命保険金を費やしその後、経済的に行き詰まって自己破産した」と説明しました。

そして、「今後の裁判で母親などに尋問するとともに、被告本人にも質問して、どのような気持ちで生きてきたのかを立証する」と述べました。

裁判は予備日を含めて19回予定されていて、▽旧統一教会の影響を受けた生い立ちや▽銃刀法の適用などを踏まえた刑の重さが争点となる見通しです。

判決は来年1月21日に言い渡されます。

【初公判は午後5時15分ごろ終わる】
安倍元総理大臣を銃撃して殺害した罪に問われている山上徹也被告の初公判は、午後5時15分ごろに終わりました。

裁判は、29日も開かれ証人尋問などが行われます。

【初公判終了後 山上被告は】
弁護団によりますと、山上被告は初公判終了後、弁護団に対し、「傍聴している人の視線が自分に集中してすごく緊張してしまい、思わず手で顔を隠すようなしぐさをしてしまった」と話していたということです。

一方で、初公判が終わり、ほっとした表情も見せていたということです。

そして、弁護団は「与えられた時間の中で最大限の防御をしたい」と話していました。

【検察の冒頭陳述】
検察は冒頭陳述で、「高校卒業後、進学を断念し、思い描いていた人生が送れなかったことを、旧統一教会のせいだと思うようになった。母親の献金を恨んでいた兄が自殺したことをきっかけに、旧統一教会の最高幹部を殺害しようと考えるようになり、火炎瓶を作ってハン・ハクチャ氏を狙ったが失敗した」と述べました。

検察は冒頭陳述で、山上被告が作った銃はあわせて10丁あり、事件で使われた銃を含む7丁が現存していると述べました。

このうち6丁について人を殺傷する能力があり、被告は試し撃ちをしていたと主張しました。

検察は冒頭陳述で、安倍元総理大臣を狙った経緯について、「旧統一教会の最高幹部を襲撃しようと考えたが、コロナ禍で日本に来なくなったことを知った。関連団体の情報などを見て、安倍元総理大臣がビデオメッセージに出ていたことを知り、襲撃すれば、旧統一教会に批判が集まると考え、遅くとも令和4年7月3日ごろまでには、7日に岡山県内で行われる演説の会場で銃撃することを計画した。岡山県内の会場に行ったが近づくことができず、帰宅する途中で、翌日に奈良県内で演説することを知り、犯行を決意した。当日、自宅から電車で現場に向かい、午前10時ごろから、演説の場所の付近を確認するなどした」と説明しました。

検察は冒頭陳述で、「被告の母親が旧統一教会に傾倒していたという不遇な生い立ちについては争いはないが、不遇な生い立ちでも、犯罪をしない人もたくさんいる。当時、40代の社会人で規範意識もあるのに、犯行を踏みとどまることができなかった。大きく刑を減軽する事情ではない」と主張しました。

【弁護士の冒頭陳述】
山上被告の弁護士は冒頭陳述で被告の生い立ちについて説明し、「4歳のときに父親が命を絶ち、兄は幼い頃から病気だった。平成3年、被告が小学4年生のころ、母親は旧統一教会に入信し、すぐに2000万円を献金した。財産を出すことが家族を救うことにつながるとして父親の生命保険金を費やした。平成10年ごろにかけての献金総額は1億円になる」と述べました。

そのうえで、「被告が中学生のころ、母の献金を祖父が知り、激怒する祖父と信仰にのめりこむ母の間で平穏な生活を奪われた」と述べました。

山上被告の弁護士は冒頭陳述で、旧統一教会との関わりについて、「※22歳で海上自衛隊に入隊したが、そのころ母親は経済的に行き詰まり、自己破産した。自衛隊の生活にもなじめず、努力してもむくわれない無力感や、社会へのえん世観があり、精神的に追い詰められていた。平成17年2月に自殺をはかり、一命をとりとめたが、自衛隊は退職した。奈良市内で母親などと同居するようになったが、母親は強い信仰心を持ち続けていて、依然として家族に溝があった。被告が35歳のときに兄が自殺し、自分を責める気持ちを持った」と説明しました。

そのうえで「旧統一教会を否定し続けた兄や祖父が正しかったと思い、ハン・ハクチャ氏ら幹部を襲撃したいと思うようになった。来日する機会に現場にいたこともあったが、ちゅうちょして実行には至らなかった」と述べました。

山上被告の弁護士は冒頭陳述で「被告は旧統一教会の幹部を襲撃しようとしたが、次に、親和的な姿勢を見せている政治家を襲撃することが目的に沿うと思った。それが安倍元総理大臣だった」と述べました。

事件前日に岡山市で襲撃しようとしたが、警備が厳重だったため引きあげたとしたうえで、「帰っている途中、翌日に奈良で演説することを知った。自分の家のすぐ近くで演説することについて偶然を超えたものだと感じ、改めて、安倍元総理大臣を襲撃しようと決意した」と述べました。

【起訴内容に対する意見の詳細】
山上被告と弁護士の、起訴された内容に対する意見の詳細です。

裁判長から起訴された内容について聞かれた山上被告は、小さい声で「すべて事実です。私がしたことで間違いない」と述べました。

続いて裁判長が「法律上どうなるかは弁護人の主張に委ねるということですか」と尋ねると、被告は「はい」と答えました。

このあと弁護士が説明し、殺人罪などについては争わないとした一方、「山上さんの手製の銃は『砲』にはあたらない」などと述べ、当時の銃刀法では「発射罪」が適用されないと主張しました。

同様に、武器を製造した罪などについても無罪を主張しました。

そして、有罪だったとしても同情すべき点を考慮し、妥当な刑の重さにすべきだと話しました。

【検察 冒頭陳述の詳細】
検察が行った冒頭陳述の詳細です。

《被告の生い立ち》
検察は、被告の生い立ちについて「母親が平成3年(1991年)に旧統一教会に入会し、多額の献金をするようになり、母方の祖父と母の間で衝突が起きるなどして家庭が安息の場所ではなくなっていき、高校を卒業後、大学進学を断念した。その後、自衛隊に入隊したが自殺を図って退官し、派遣社員などとして職を転々としていた」としたうえで、「自身が思い描いたような人生を送れていないのは母親が信仰していた旧統一教会が原因だと考えるようになり恨みを募らせていった」などと述べました。

《安倍元総理襲撃までの経緯》
安倍元総理を襲撃するまでの経緯については、「被告は母親の献金を恨んでいた兄が平成27年(2015年)に自殺したあと、旧統一教会への恨みをさらに募らせ、教団の最高幹部を殺害しようと考えたが、新型コロナウイルスのまん延により、最高幹部が来日する見通しが立たなくなった。その後、安倍元総理が教団の関連団体にビデオメッセージを送ったことを知り、元総理が教団と関係があると考えた。著名な元総理を襲撃すれば、教団の活動実態に注目が集まり批判が高まると考え、銃撃することにした」と主張しました。

《”生い立ちは刑罰を軽くするものではない”》
また、検察は「不遇な生い立ちを抱えながらも犯罪に及ばず生きている者も多くいる」としたうえで、被告について、「プライドの高さ、対人関係の苦手さから転職などを繰り返し、思い描いていた人生を送れていないと考え、失望感や挫折感、周囲への不信感や敵意を旧統一教会に向けようと考えた」などと述べました。

そして、「犯行当時、40代の社会人として生活するなかで法律を守る意識を十分持っており、不遇な生い立ちがあったことで犯罪を踏みとどまれなかったという関係にもなく、生い立ち自体は被告の刑罰を大きく軽くするものではない」と主張しました。

《”計画性と危険性の高さ目を見張る”》
特に注目し、考慮してほしい点として、検察は「多数の聴衆の前で2回発砲して殺害していて、ほかの人に被害が出てもおかしくなかった。総理を務めた国会議員が選挙の応援演説中に大勢の聴衆が見守るなかで殺害されたという我が国の戦後史において例を見ない極めて重大な結果と社会的な反響をもたらした。のべ10丁の手製の銃を製造し、より命中率の高い散弾を選択して発射するなど、計画性と危険性の高さは目を見張るものがある」などと述べました。

《”手製の銃は拳銃等にあたる”》
裁判では、手製の銃が銃刀法で規定された「拳銃等」にあたるかどうかも争点の1つとなっていますが、これについて検察は「鑑定の結果、人を殺傷する能力が認められたことなどから『拳銃等』にあたり、当時の発射罪は成立する」などと主張しました。

【弁護側 冒頭陳述の詳細】
弁護側の冒頭陳述の詳細です。

《家族と旧統一教会》
家族と旧統一教会との関わりについては「4歳のときに父親が命を絶ち、兄は幼い頃から病気で、事故で片目の視力も失った。母親は、深い悲しみの中で生きていて、平成3年、被告が小学4年生のころ、救いを求めて旧統一教会に入信した」と述べました。

《母親の献金について》
母親が入信した後の家族の生活については、「母親は財産を投げ出すことが家族を救うことだと信じ、入信した年にはすぐに2000万円を献金し、翌年、3000万円を献金した。それらは父親の生命保険金のほとんどすべてだった。平成10年ごろにかけての献金総額は1億円になる」と述べました。

一方、「献金を続けていることをほかの家族は知らなかった」としたうえで、「母の献金を祖父が知り、祖父は信仰にのめりこむ母親を責めたてた。一方で母親の信仰心は強く、時には子どもをおいて、旧統一教会の本部がある韓国に行くこともあった。激怒する祖父と信仰にのめりこむ母親の間で平穏な生活は失われた」と指摘しました。

《母親の自己破産と自殺未遂》
その後の被告の生活状況については、「22歳で海上自衛隊に入隊したが、そのころ母親は自己破産した。自衛隊の生活にもなじめず、努力してもむくわれない無力感やえん世観があり、精神的に追い詰められていた。自分が死ねばきょうだいが生命保険金を受け取れるとも考え、自殺をはかったが、一命をとりとめ自衛隊は退職した。その後、奈良市内で母親などと同居するようになったが、母親は強い信仰心を持ち続けていて、依然として家族の間に溝があった。被告が35歳のときに兄が自殺し、自分を責める気持ちを持った」と説明しました。

《元首相を狙った理由》
安倍元総理大臣を狙った理由については、「旧統一教会を否定し続けた兄や祖父が正しかったと思い、教会の主要幹部を襲撃するほかないと考えるようになった。主要幹部らが来日する機会もあったがちゅうちょして実行には至らなかった。次に、親和的な姿勢を見せている政治家を襲撃することが目的に沿うと思った。その1人として思い立ったのが安倍元総理大臣だった」と述べました。

そして、事件前日に岡山市で襲撃を試みましたが警備が厳重だったため引きあげたとしています。

しかし、自宅へ帰る途中、元総理が奈良市で演説することを知り「自分たちが住んでいた家のすぐ近くで演説することについて『偶然を超えたもの』だと感じた」と述べました。

《“手製銃”検察官主張の罪は成立せず》
犯行に使われた手製の銃については、「法律の解釈として、被告が自作した銃器は、『拳銃』や『砲』に当たらず、検察官が主張する罪は成立しない」として、銃刀法違反などの罪について争う姿勢を示しました。

【試し撃ちする動画 法廷で再生】
検察は、事件があった日に押収したスマートフォンから、山上被告がつくったとみられるパイプ銃で試し撃ちする動画のデータが8点、見つかったと説明し、実際に法廷で再生しました。

動画では、山中の資材置き場で被告とみられる人物がドラム缶や重ねたベニヤ板に向かって手製の銃の引き金を引く様子が映っていました。

そして、直後に「ドン」という大きな音が響き、煙が上がると、映っている人物は、どこまで貫通しているかを確認するような動きを見せていました。

動画が映し出されている間、被告は真剣な様子で見ていて、動画を見終わると右側にいた弁護士に小声で何かをつぶやいていました。

また、検察側は被告が手製したパイプ銃3丁を2人がかりで持ち上げて裁判官と裁判員の前まで持って行き、側面や銃口などを見せました。

【傍聴した人は】
初公判を傍聴した奈良県王寺町の70代の女性は「旧統一教会が被告の家族に与えた影響は悲惨だと感じ、被告の成育歴には同情する部分もあった。事件当時の被告の目は絶望していたようにも感じたが、法廷では精気を取り戻していたように見えた」と話していました。

そのうえで、「被告が銃撃して、元総理が亡くなったのはとても許されないことで、反省してほしい。ただ、被告だけが100パーセント悪いということで結論づけてしまうのもどうかと思った」と話していました。

初公判を傍聴した、京都市の35歳の会社員は「日本の歴史を変えるような事件だったので何が起きたのか自分の目で見たいと思った。被告は裁判中、ほとんど表情が動かなかったが、たまに眉間にしわを寄せていたので感情の起伏を感じた。様々な銃を作成していたのが印象的で、実物を見て強い意思が形として現れていると思った」と話していました。

奈良市の69歳の女性は「傍聴券が当たり驚いた。被告は小さい声で、淡々としている様子だった。冒頭陳述で被告のつらい生い立ちを聞き、息子と同じくらいの歳なので、涙が出そうになった」と話していました。

※この記事を当初掲載した際、「23歳」としていましたが、「22歳」でした。失礼しました。

 

 

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