140年のものづくりと芸術 「イッタラ」展

石川和彦

 

140年のものづくりと芸術 「イッタラ」展 [島根県]:朝日新聞 配信より

 

豊富な色合いもイッタラの特徴だ=2023年4月21日、島根県益田市有明町の県立石見美術館、石川和彦撮影

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 日々の暮らしで使われるガラス製品などで知られ、フィンランドを代表するライフスタイルブランド「イッタラ」の創立140周年記念の展覧会「イッタラ展 フィンランドガラスのきらめき」(朝日新聞社など主催)が22日、島根県益田市有明町の県立石見美術館で始まった。

 

 イッタラは1881年にフィンランド南部イッタラ村にできたガラス工場から出発した。職人技を継承しつつ、新たな技術や表現を求め、1930年代、デザインコンペをしてデザイナーとの共同作業が始まった。これが転機となり、芸術と実用の両面で国際的メーカーに成長した。

 

 展示品は、主催者の一つ、フィンランド・デザイン・ミュージアム(首都ヘルシンキ)所蔵のガラスの食器や花器を中心に約450点。これらを通して、イッタラの歩みを振り返り、デザイナーとその仕事を紹介。素材のガラス、職人の技など13の切り口からイッタラの芸術やものづくりに迫っている。

 

デザイナーの三宅一生ら日本との関わりにも触れている。

 

 イッタラは、豊富で多彩な色合いが特徴の一つ。今は約200種あり、毎年20種ほどで製品をつくっているという。

 

石見美術館専門学芸員の広田理紗さんは、

 

デザイナーと職人が協力していることのほか、

 

「自然からインスピレーションを受けたデザインであること」も挙げる。

 

「自然の中に精霊をみるところなど自然に対する感性は日本とかなり似ている。

 

シンパシーを感じることができる」

 

 6月19日まで。火曜休館(5月2日は開館)。

 

一般1千円、大学生600円、小中高生300円(4月29日~5月11日は小中生無料)。

 

5月3、28日、6月18日は午後2時から担当学芸員によるギャラリートークがある。

 

石見美術館(0856・31・1860)。

 

 今回のイッタラ展は日本初の大規模展。全国7カ所をめぐる巡回展でもあり、

 

今後は長崎(7~9月)、京都(来年2~3月)で予定されている。

 

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この記事を書いた人

石川和彦
松江総局長
 
 
○ パリの「敵性」日本人たち──脱出か抑留か 1940-1946
藤森 晶子/岩波書店
 

○ 学芸員になるには (なるにはBOOKS)

横山 佐紀/ぺりかん社

 

○ 学芸員が教える 日本美術が楽しくなる話

ちいさな美術館の学芸員/産業編集センター

 

○ 覆刻 札幌農学校

札幌農学校学芸会/一般社団法人 北海道大学出版会

 

○ 北海道の博物館 博物館・美術館・科学館・動物園・植物園

北海道の博物館編集委員会/北海道大学出版会

 

○ ソヴィエト・ロシアの聖なる景観 社会主義体制下の宗教文化財、ツーリズム、ナショナリズム

高橋 沙奈美/北海道大学出版会

 

○ 17世紀フランスの絵画理論と絵画談義 語らいと沈黙の美術批評史 (北海道大学大学院文学研究院研究叢書30)

今村 信隆/北海道大学出版会

 

○ ファッション: 蝶は国境をこえる (岩波新書 新赤版 307)

森 英恵/岩波書店

 

○ 森英恵 その仕事、その生き方 (別冊太陽)

平凡社

 

○ 湛山回想 (岩波文庫 青168-2)

石橋 湛山/岩波書店

 

○ 石橋湛山評論選集

石橋 湛山/東洋経済新報社

 

○ 池上彰と学ぶ日本の総理 第7号 石橋湛山 (小学館ウィークリーブック)

「池上彰と学ぶ日本の総理」編集部/小学館

 

○ 池上彰と学ぶ日本の総理 第5号 岸信介 (小学館ウィークリーブック)

「池上彰と学ぶ日本の総理」編集部/小学館

 

 

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廣田 理紗

島根県立石見美術館 主任学芸員

北海道大学文学研究科修士課程修了。2009年3月より島根県立石見美術館に勤務。

(2019年4月19日時点)

 

廣田 理紗 | NETWORK | KIITO 配信より

 

同美術館ではファッションを担当。

 

企画した展覧会に「森英恵 仕事とスタイル」(2015)、

 

「コズミックワンダーと工藝ぱんくす舎 お水え いわみのかみとみず」(2016)、

 

「コズミックワンダー 充溢する光」(2017)、

 

「THERIACA 服のかたち/体のかたち」(2018)、などがある。