小沢一郎氏「政権を獲る気のない野党は給料泥棒」不信任出すべき「首相は減税の力なし」
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小沢一郎氏「政権を獲る気のない野党は給料泥棒」不信任出すべき「首相は減税の力なし」(産経新聞) - Yahoo!ニュース
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立憲民主党の小沢一郎衆院議員=東京・永田町の衆院第一議員会館(酒巻俊介撮影)
立憲民主党の小沢一郎衆院議員(83)が、産経新聞の単独インタビューに応じた。
就任から8カ月過ぎた石破茂首相(68)について「結局、何もできない」「減税をやる力もない」といい、小泉進次郎農林水産相(44)による備蓄米放出には「地方の農家の評判は良くない」「自民党の地盤を揺るがす」と指摘した。
さらに、立憲民主党の野田佳彦代表(68)が内閣不信任決議案提出に慎重なことを受けて、「政権を獲る意思がない野党は給与泥棒と言われても仕方がない、党も解散した方がいい」などと言い切った。
◇ ――石破首相をどう見るか
「結局、何もできない。力がなく、党内もまとめきれていない。就任前は『アジア版NATO(北大西洋条約機構)構想』や『日米地位協定の改定』などのきれい事を主張していたが、封印している。衆院で過半数がないので、言ったことも実行できない。何かあるたびに、『今回は立憲民主党』『今回は国民民主党』『今回は日本維新の会』と頭を下げて協力してもらうしかない」
――物価高騰で国民生活が苦しいなか、石破政権は消費税減税に反対している
「石破首相は財政規律派の『財源をどうするのか』といった指摘に答えを出せていない。私は英国のように、食料品や光熱費など生活に関わる消費税は永続的にゼロにして、それ以外の部分は上げてもいいと思う。自民党内にも『減税すべきだ』という声はあるが、石破首相には減税をする力がない」 「財務省には、大枠のきちんとした財政論をぶつけなければダメだ。彼らだって筋道の通った意見には納得する。そして、『俺が責任を持つからやれ』と言えば、ちゃんと動く。政治家が、何か問題が起きると役人のせいにするから役人はやらない」
■石破外交では国益を守れない
――日米関税協議はどうか
「赤沢亮正経済再生相(64)が何度も訪米しているが、まったく結果が出ていない。実は相手にされていないのではないか。赤沢氏が、トランプ米大統領と会談した後、『格下も格下と直接話をしてくれたことに感謝している』と語っていたが、そんなことを言えばバカにされるだけ。『石破外交では日本の国益を守れない』ということになる」
――小泉進次郎農水相の備蓄米放出は評判がいいようだ
「内閣支持率が少し上がったようだが、地方の米農家は赤字経営が続いてきたこともあって、『やっとコメの価格が上がったのに…』と評判はよくない。小泉氏のやり方は、消費者と生産者がともに納得できる政策にはなっていない。自民党は衆院も参院も地方で強いから過半数を確保してきた。小泉効果はそれほど大きくないと思う。マスコミも地方の声は取り上げない。自民党の地盤を揺るがすことになりかねない」
■小泉手法は自民党地盤を揺るがす
――政府与党の物価高対策として「1人あたり3万~4万円給付金」が浮上していると報じられた
「もし選挙前にバラまこうというのなら、あまりにも姑息(こそく)でひどすぎる。こういうのは役所の発想ではない。議員の発想だろう」
――石破首相は参院選の公約に「2040年に日本の名目GDP(国内総生産)を1000兆円まで引き上げる」と掲げるよう党幹部に指示した
「国民の方々には『15年後に1000兆円』と言われてもピンと来ない。それなら、池田勇人内閣の『国民所得倍増計画』の方がよっぽど実感がある。実生活で直接感じられなければダメだ。選挙戦術としては大したことはない」
――通常国会の会期末(22日)が迫るなか、立憲の野田代表は内閣不信任案提出に慎重とされる
「国会の論戦で、わが党は『石破内閣は国民のためにならない』と主張し、野田代表は『政権交代こそが最大の政治改革』と言い続けてきた。通常国会の締めくくりとして内閣不信任案を出すのは当たり前だ。不信任案が通らないときは毎年出しながら、野党が過半数となって通る可能性が高まると出さないなら、国民の支持は絶対に得られない。参院選も厳しくなる」
■政権交代のチャンスを逃すな
――昨年の衆院選後にも政権交代のチャンスはあった
「長期政権は必ず癒着して腐敗する。その癒着の構図を断ち切ることこそ、国民のためになる。だから、欧米の民主主義国家では数年に一度、政権交代が実現している。もし、昨年の衆院選後に野党が結束していたら、野党中心の政権ができて、自民党は崩壊していた。野党に『政権を獲る』という意欲、気迫がないから、自公政権の継続を許してしまった」
――自民党が崩壊する?
「自民党はきちんとした理念や哲学があって結成された政党ではない。権力政党として寄せ集まっているだけだから、権力なくなったらタガが外れてバラバラになる。細川護熙連立政権(平成5年8月~6年4月)があと1、2年続いていたら、自民党は終わっていた」
――野党は政権獲得の覚悟を示せるか
「『万年野党でいい』というなら国民から完全に見放される。選挙で『政権を獲ったら、これをやります』と約束しながら、いざという時に政権を獲りに行かない政党なんて国民にはいらない。国民を欺くことで、給料泥棒だ。大切なのは『政権を獲る気があるのか』だ。政権を獲る意思がないなら政党は解散、国会議員も辞職した方がいい」
――具体的な政権構想はあるのか
「当然ある」
■万年野党でいいなら政党解散せよ
――立憲が不信任案を提出しても、他の野党が乗らないとの指摘もある
「不信任案に『賛成しないのではないか』とか、『棄権するのではないか』とか、いろんなことを言う人がいる。ただ、それは事実上、野党なのに自公与党を支持することになる。産経新聞をはじめ、マスコミにたたかれる。国民民主党も日本維新の会も、不信任案に乗らざるを得ないだろう」
――石破首相が、衆参ダブル(同日)選に打って出るとの見方もある
「選挙こそ、政権交代の最大のチャンスだ。野党はダブル選を歓迎しなければならない。国民は野党の動きをよく見ている。マスコミに『選挙に自信がないから震えている』とからかわれているようではダメだ」
(聞き手 矢野将史、千田恒弥)
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最終更新:産経新聞
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