• 2025年6月12日

【詳しく】都議選2025 参議院選挙など今後の国政を占う? 解説委員に聞いた

 
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6月13日(金曜日)に告示される東京都議会議員選挙。都議会議員を選ぶだけでなく、参院選の前哨戦ともいわれ、国の政治を占う選挙として注目されています。


なぜなのか。10日放送の「首都圏ネットワーク」で、選挙分析が専門の伊藤雅之解説委員に聞きました。

そもそも、なぜ都議選に注目?

選挙結果の変動の幅がとても大きく、その時の政治状況を反映するとみられているためです。


過去5回の選挙結果をみると、最も多く議席を獲得した第一党が自民党、都民ファーストの会、当時の民主党と、その都度かわっています。


さらに議席の変化をみると、2013年に第一党だった自民党は4年後には半減、2009年に第一党だった当時の民主党は、4年後には三分の一に勢力を減らしています。

国政選挙とは違う結果なのはなぜ?

東京の特性にあると思います。
まずは東京の人口が多いことです。


東京の人口はおよそ1400万人で、日本の人口に占める割合は、去年(2024年)10月時点では、11.5%と、日本に住む人の9人に1人は東京に住んでいることになります。その有権者の判断は、国政に与える影響は少なくない。


さらに、東京の平均年齢は低く、若い都市ということもあると思います。
2023年のデータで、日本の平均年齢は48.4歳ですが、東京は45.8歳平均より2.6歳若い。これは都道府県別では2番目に若いので、全国より若い世代の考えが反映されやすいといえると思います。

東京は、「転入超過」が拡大。影響はあるの?

去年、東京都では、転入が転出を、7万9000人あまり上回りました。総務省は、「東京一極集中」の傾向が続いているとみています。ただ、注目したいのは、若い世代の割合です。去年の転入は46万人余り、転出が38万人余りでしたので、あわせると1年間に84万人あまりです。しかも転入の半数が20代なのに対し、転出のおよそ4割が20代でした。

つまり、東京は若いだけでなく、若い世代が大幅に入れ替わっているということです。若い世代は、東京都のしがらみが薄いともいえ、人が変われば、選挙結果もかわりやすいといえるのではないかと思います。

このことは、今月、全国で行ったNHKの世論調査の結果からも見て取れます。
政党の支持をみると、自民党が31.6%、「特に支持している政党はない」が37.8%と、いわば第一党が、いわゆる「無党派層」です。そして、この全国調査の東京都での傾向をみると実に51%と半分以上に上ります。

 

東京は、無党派層が多く、その動向で選挙結果が左右されるといわれてきました。

 

東京には地域政党もありますので直ちに都議会議員選挙の政党の支持に当てはまるとは必ずしも言えませんが、改めて2人に1人が無党派層という数字を見ると多いと実感します。

都議選の結果が、国政に影響する要因は?

都議選の日程が密接に関係してきます。


12年に一度、都議選と参議院選挙が同じ年に行われますが、ことしが、これにあたります。

 

都議選の投票日は6月22日ですが、この日は、通常国会の会期末と重なります。

 

会期末となれば、与野党の攻防がヤマ場を迎えます。

 

少数与党のもと、内閣不信任案が提出されるのか、仮に提出されて可決されれば、内閣は総辞職するか衆議院解散のどちらかを選ばなくてはなりませんので、衆参同日選挙の可能性もあります。

 

会期末の各党の姿勢に加え、参院選に向けた各党の公約も出てくるので、

 

こうしたことが選挙にも影響を与えることになるとみています。


そして、各党や各候補者は、選挙結果を分析して、どういう政策が評価されたのか、どのような訴え方が有権者の心に響いたのかを考え、参院選に向けて戦略を見直すことにもなりそうなので、そういう意味での影響も大きいだろうと思います。

注目される争点は。伊藤解説委員の注目点は?

「消費税」と「農政=農業政策」を挙げたいと思います


いずれも東京が、大きな消費地であることと関係してきます。物価高が続き、賃金の上昇が物価の上昇に追いつきません。物価高対策として消費税をどうするか。効果的な対策は何か。一方で、将来の財源をどうするかという議論もあります。


農政という点では、コメの高騰、コメが思うように手に入らない事態にどう対応するか。これまで農業政策というと生産者の側からの議論が多かったですが、今回、都議選では、消費者の立場からの評価が色濃く出てくる可能性があると思います。

都議選の前回の投票率は42.39%と50%を切っています。特に特徴的なのが、年代別の投票率です。


年代別の推定投票率をみると、若い世代、特に20代が低く、年齢が高くなるほど投票率が高い傾向にあります。70代と20代の差は2倍以上あります。年代別に、関心が高いこと、あるいは支持政党にも違いがあります。


東京では、去年の都知事選挙で、SNSが注目を浴びました。誤った情報、ニセ情報への対応は解決せず宿題になっていますが、選挙への関心は、一定程度高まったといえると思います。もともと選挙結果が大きく動く都議会議員選挙で、若い世代がより多く投票にいけば、選挙結果が大きく変わる可能性は大いにあります。若い世代の関心と行動に注目していきたいと思います。

 

私のコメント :   令和7年6月12日、東京都議選の投票日は6月22日ですが、この日は、通常国会の会期末と重なります。

 

会期末となれば、与野党の攻防がヤマ場を迎えます。少数与党のもと、内閣不信任案が提出されるのかどうかにより、衆参同日選挙の可能性もあります。