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<奇跡的な “生産再開決定” から3年4か月…>アイコムのHF~430MHz帯オールモード機「IC-7100シリーズ」完全終了へ
アイコム株式会社のHF~430MHz帯オールモード機「IC-7100シリーズ」は、2022年1月に生産・販売終了が一度決定したものの、国内外からの惜しむ声に押されて翌月には生産再開が決まったという珍しい経緯がある。その後100Wタイプ「IC-7100」と50Wタイプ「IC-7100M」は2025年春まで生産が継続していたが、このほど一部主要部品の生産が終了し入手困難になったことから、改めて生産・販売終了が決定した。同社が2025年5月下旬に取引先へ出したアナウンスを基に複数の無線ショップが告知を行っている。なお10Wタイプの「IC-7100S」はすでに2023年秋に生産・販売を完了している。
アイコムのIC-7100シリーズ
アイコムのIC-7100シリーズは、2013年3月に発表されたHF~430MHz帯のオールモード機。モービル運用を考慮したコンパクトなサイズで、本体とスラント型のコントローラーが分離(セパレート)、タッチパネル式の液晶ディスプレイで操作性を向上。さらにD-STARのDVモードにも対応していることから人気を集めてきた(ただしオートアンテナチューナーは非搭載)。
2022年1月26日、IC-7100で使用している一部の主要部品の生産が終了し入手困難になったことから生産・販売の終了が決定、同社から取引先の無線ショップに「生産完了」アナウンスが出された。しかし国内外からIC-7100シリーズの生産継続を求める声が多く寄せられたことからアイコム社内で再検討。その結果、代替部品の調達に目処が立ったとして2022年2月に生産再開が決まった経緯がある。
その後、10W(50/144/430MHz帯は20W)タイプの「IC-7100S」のみ2023年秋に生産完了となったが、50W(430MHz帯は35W)タイプの「IC-7100M」と100W(144MHz帯は50W、430MHz帯は35W)タイプの「IC-7100」は2025年春まで生産が継続していた。
無線ショップが公開した情報によると、50Wタイプの「IC-7100M」は次回の工場生産分が最終となる。また100Wタイプの「IC-7100」はメーカー在庫限り(すでに生産は完了済み)となるという。なお現時点で後継機種に関するアナウンスは行われていない。
一般的にアマチュア無線機が生産終了となるケースとしては「①主要な電子部品が調達不能になり、今後の継続生産ができなくなった」「②代替となる新機種を発売する(した)ため」「③売れ行き減退で継続生産のメリットが薄くなったため」などが挙げられる。生産終了情報をメーカーが公式Webサイト等で告知することはあまりなく、営業担当者が販売店へ個別に案内するのが通例となっている。
●関連リンク:
・アイコムIC-7100/M生産終了・在庫限り(CQオーム Facebookページ)
・IC-7100、生産終了のアナウンスがありました(デジハムサポート Facebookページ)
・IC-7100シリーズ製品情報(アイコム)
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「どうせ命中しないだろ」→ドカン “イタリア最後の戦艦”が世界で唯一の「誘導弾で撃沈された戦艦」に 落としたのは“同盟国”のナゼ
配信
「どうせ命中しないだろ」→ドカン “イタリア最後の戦艦”が世界で唯一の「誘導弾で撃沈された戦艦」に 落としたのは“同盟国”のナゼ(乗りものニュース) - Yahoo!ニュース 配信より

イタリア最後の戦艦「ローマ」
第二次大戦中、イタリア艦隊の旗艦だった戦艦「ローマ」が、同盟国であるはずのドイツ軍爆撃機によって撃沈される――という椿事がありました。しかも、そのときに使用された兵器は、ナチス・ドイツ軍が開発した秘密兵器である「誘導爆弾」でした。本稿では、初期の誘導兵器にまつわる歴史的な出来事について、詳細を追います。
【驚異的な威力…】これが、戦艦「ローマ」を沈めた瞬間です(写真)
1936(昭和11)年にロンドン海軍軍縮条約から日本と共に脱退したイタリアは、その当時すでに旧式化していた戦艦の代替として「ヴィットリオ・ヴェネト」級2隻を建造中でした。このネームシップの1番艦と2番艦「リットリオ」は1934(昭和9)年に起工、1940(昭和15)年4月に就役しています。これは奇しくも、日本の「大和」と時期が重なっています。
計画時の「ヴィットリオ・ヴェネト」級は軍縮条約の制限に収める予定でしたが、完成時は満載排水量4万5000トンの巨艦になっています。主砲は38cmながら三連装砲塔3基計9門を備え、最大速力は30ノットでした。
しかし、イタリア海軍は、地中海方面で活動するため、有事の際はフランス海軍やイギリス海軍と戦う必要がありました。この2か国の海軍を相手にするには旧式艦とヴィットリオ・ヴェネト級2隻では戦力に劣るため、2隻を追加しました。それが、「インペロ」と「ローマ」で、このうち「ローマ」は、イタリアが建造した最後の戦艦となりました。
「インペロ」と「ローマ」は同じ1938(昭和13)年に起工したものの、翌年9月に第2次大戦が勃発すると、「インペロ」の工事が中断。そのまま未完成に終わります。一方「ローマ」は建造が続けられ、1942(昭和17)年6月に就役。戦艦「武藏」(1938年起工、1942年8月就役)とほぼ同時期に建造された戦艦として、イタリア海軍での任務につくことになりました。
完成したけれど時すでに遅し
しかし「ローマ」が就役した頃、戦局は枢軸国にとって不利な状況で、燃料不足も深刻でした。そのため、「ヴィットリオ・ヴェネト」級は本土の軍港で防空用の浮砲台になり、連合軍の爆撃に晒されていました。
さらに約1年後の1943(昭和18)年5月、イタリア半島の目の前にあるシチリア島に連合軍が上陸を開始します。この責任を取らされてムッソリーニが失脚。後継のバドリオ政権は休戦協定を模索し始めます。
この頃、イタリア海軍は、連合軍の本土上陸に備えて艦隊総司令官カルロ・ベルガミニ提督の旗艦「ローマ」と、「ヴィットリオ・ヴェネト」、それに「リットリオ」改め「イタリア」の戦艦3隻を主力に、軽巡洋艦3隻と駆逐艦8隻を北西部の軍港ラ・スペルツィアで待機させました。
1943年9月9日、艦隊は連合国艦隊をサレルノで迎え撃つため出航したところ、休戦協定締結のニュースが入り作戦は中止になります。休戦協定の条件にはイタリア艦隊の引き渡しが含まれていました。翌10日朝にジェノバから来た軽巡洋艦3隻が合流し、指定されたラ・マッダレーナ島に向かいます。
この艦艇引き渡しに危機感を覚えたのが、同盟国だったドイツでした。休戦協定を受けて、ドイツ軍はイタリア艦隊が連合国の手に落ちるのを阻止するため、イタリア軍守備隊のいたラ・マッダレーナ島を占領したのです。
スペルマリーナ(イタリア海軍参謀本部)は、ドイツ軍から攻撃を受けたら対応するようベルガミニ提督に命令して、イタリア艦隊は目的地をアルジェリアに変更します。
秘密兵器「フリッツX」

ドイツ軍の秘密兵器.「フリッツX」(画像:Alf van Beem < CC0 >)
イタリア艦艇の引き渡しを阻止すべく、マルセイユ近郊を出撃したドイツ空軍第100戦闘航空団のドルニエDo217爆撃機の編隊は10日午後イタリア艦隊を捕捉しました。このとき、ドイツ軍のDo217はルールシュタールSD1400X(愛称「フリッツX」)を搭載していました。
このフリッツXはミサイルのような推進装置がなく、母機から無線操縦で爆弾本体の安定翼を制御する自由落下式の誘導爆弾でした。スマート爆弾(誘導爆弾)の元祖にあたります。これは、高度5000m以上で投下後、爆弾の尾部から発するフレアを母機の爆撃手が望遠式照準器を見ながら、手元のジョイスティックで操作する仕組みです。
ドイツ軍はロケット推進の無線誘導爆弾ヘンシェルHs293と共に、フリッツXを8月からイタリア戦線に投入しており、連合軍は謎の新兵器を警戒していました。
飛んできたぞ~ドイツ軍機 その直後…
こうして飛来したドイツ軍爆撃機は対空砲の射程外だったので、イタリア艦隊は静観していました。
Do217が爆弾を投下しても距離があるので命中しないと高をくくっていたのです。
しかし、Do217が投下したフリッツXの1発目は軽巡洋艦「エウジェニオ・ディ・サヴォイア」に至近弾、2発目は「イタリア」の艦尾に命中して舵が損傷します。
一方、「ローマ」を狙った1発目は外れたものの、2発目が右舷中央部を貫通しボイラー室の浸水で艦が停止、そして司令塔の左舷前方に命中した3発目が致命傷になりました。
弾薬庫の誘爆で2番主砲塔が吹き飛び、司令塔が大破してベルガミニ提督ら幕僚が戦死しました。
やがて転覆した「ローマ」は船体が2つに折れて沈没し、就役からわずか1年余りで敵艦と砲火を交える機会もなく短い生涯を閉じました。命中弾を受けた「イタリア」は、大量の浸水を排水作業でしのいで航行を続けました。
生き残ったイタリア艦隊はイギリス艦隊の護衛でマルタ島に回航されました。
このイギリス艦隊も9月15日、フリッツXによる爆撃で、戦艦「ウオースパイト」と「バリアント」が大破しています。
一連の爆撃が無線誘導兵器と判断した連合軍は、1944(昭和19)年に入ると電子妨害(電子戦)を開始し、
フリッツXの効果は失われていきました。
こうして「ローマ」は誘導兵器に沈められた最初で唯一の戦艦として、歴史に名を留めることとなったのです。
時実雅信(軍事ライター、編集者、翻訳家)
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