エンブラエル、2030年までに200億レアルの投資計画発表
(ブラジル)
サンパウロ発 2025年02月14日
エンブラエル、2030年までに200億レアルの投資計画発表(ブラジル) | ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース - ジェトロ
配信より
エンブラエル、2030年までに200億レアルの投資計画発表
ブラジル大手航空機メーカーのエンブラエルは2月12日、
2030年までに200億レアル(約5,300億円、1レアル=約26.5円)の国内投資計画を発表した。
この発表は、ブラジリアで開催された政府の「新ブラジル産業プログラム」(2024年2月5日記事参照)
の1周年記念式典で行われた。
式典には、ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領やジェラルド・アルキミン副大統領ら政府要人も出席した。
発表によると、今回の投資は今後5年間の成長計画に沿った航空機生産の拡大や、
国際市場での事業拡大、航空業界の脱炭素化に向けた持続可能な技術開発を目的とするもの。
中でも特に電動垂直離着陸機(eVTOL)の開発を重点分野として挙げている。
eVTOLは、エンブラエルグループのイブ・エア・モビリティ(EVE)社が製造を担う(2024年7月30日記事参照)。
エンブラエルのフランシスコ・ゴメス・ネト最高経営責任者(CEO)は
「『新ブラジル産業プログラム』はブラジルの競争力回復に不可欠だ。
エンブラエルと防衛産業基盤との連携はブラジル製品の輸出促進、高度人材の雇用創出、
所得向上、国家主権に不可欠な技術の獲得に貢献する」と強調した。
2月12日付の現地紙「フォーリャ」によると、同社は2024年にブラジル社会経済開発銀行(BNDES)から、
eVTOL生産のために合計7億レアルの融資を受けている。
エンブラエルは民間航空機、ビジネスジェット機、防衛・セキュリティー、
農業用航空機の分野で事業を展開する。
1969年の創業以来、9,000機以上の航空機を納入し、
年間1億5,000万人以上の乗客を輸送している。
従業員数は全世界で2万3,500人、うちブラジル国内に1万8,000人を擁し、
近年では2,500人以上の雇用を創出するなど、ブラジル経済に大きく貢献している。
今回の投資計画は「新ブラジル産業プログラム」と連携し、
国内航空宇宙産業の発展を牽引するものとして期待される。
(中山貴弘)
(ブラジル)
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