巨大断層にズレ?メカニズムは…ミャンマーでM7.7 バンコクでは建設中のビル倒壊

テレビ朝日 配信より

 

巨大断層にズレ?メカニズムは…ミャンマーでM7.7 バンコクでは建設中のビル倒壊(テレビ朝日系(ANN)) - Yahoo!ニュース   配信より

 

◆地震や地殻変動のメカニズムに詳しい京都大学防災研究所の西村卓也教授に聞きます。     

 

(Q.今回の地震発生のメカニズムなども含め、どのように分析しますか?) 

 

西村卓也教授                                                      「ミャンマー周辺は、インド・オーストラリアプレートと、ユーラシアプレートがぶつかる辺りです。西の方では、ヒマラヤ山脈が衝突によってできていますし、ミャンマーからさらに南のインドネシア・スマトラ島では、過去に大きな地震が何度も起こってきました。特に2004年のスマトラ島沖地震も、この2つのプレートの間で起きた地震です。そのミャンマーの中央部のプレートの境界部にサガイン断層という非常に長い活断層があります。地震の規模やメカニズムから、この断層が、今回の地震の震源になったものと思います」 (Q.M7.7という規模の地震は、起こり得る場所だということでしょうか?) 

 

西村卓也教授                                              「そうですね。サガイン断層に沿って、過去にもミャンマーではM7〜M8クラスの地震は、何度も起こってきました。この断層は、非常に長い断層で、今回は、その中央部、大体200キロの範囲がずれ動いたといわれています。断層は、“横ずれ”右横にずれるタイプで、断層の長さ200キロというのは、例えば、2024年の能登半島地震の150キロよりも、さらに長い断層で、今回の地震の規模も、能登半島地震以上の規模だったといえることができます」 

 

(Q.震源から遠いバンコクで大きな被害が出ています。直線で1000キロ以上となると、東京から福岡よりも遠い距離にもかかわらず、バンコクで観測した大きな揺れ。これは、どういうことなのでしょうか?) 

 

西村卓也教授                                                    「原因として2つくらい考えられます。1つは“長周期地震動”が伝わったということです。今回、地震の規模が大きくて、かつ、震源が浅いので、比較的、ゆっくりとした揺れ。それを長周期地震動といいます。長周期の揺れとは、距離が長くても、比較的、遠くまで届きやすいという性質があります。特に、長周期地震動は、大きな構造物、例えば、高層建築や大きな橋と共振して、被害を及ぼすということが知られています。バンコクは、比較的、高層ビルが多いので、被害が目立っているのはないかと考えられます。もう1つは、バンコク周辺は“揺れが伝わりやすい地域”といえるのではないかと思います。プレートの境界からちょっとタイは離れていますので、日本のような地域ですと、比較的、地震の揺れが減衰しやすいのですが、こういう地域では、揺れが遠くまでより伝わりやすい。また、バンコク周辺は、大きな川の河口付近にあるということで、地盤そのものが緩いということで、このような大きな揺れになったのではないかと思います」

 

 (Q.プレート境界や活断層が多いというのは、日本も似た環境にあるといえると思いますが、どうでしょうか?) 

 

西村卓也教授                                                   「そうですね。M7後半、8に近い地震というのは、日本でも十分、起こり得る地震ですし、この長周期地震動に関しても、東日本大震災で、東京や大阪の高層ビルが長く揺れたということも記憶にある方もいるかと思います。そういうことが日本でも起こり得るということで、震源から1000キロ離れたところでも大きな被害が出る可能性がある。将来、南海トラフ地震などでも、東京で超高層ビルに大きな被害が出る可能性があるということを、しっかり教訓として得ておきたいと思っています」 

 

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