岩手 大船渡の山林火災は延焼続く 鎮圧のめど立たず
岩手 大船渡の山林火災は延焼続く 鎮圧のめど立たず|NHK 岩手県のニュース 配信より
岩手県大船渡市で続く山林火災は、焼失面積がおよそ1800ヘクタールに拡大し、依然として鎮圧のメドは立っていません。大船渡市は、たび重なる避難指示の拡大で避難所のひっ迫した状態が続いていることから、2日、新たに避難所を1か所、追加しました。
2月26日に大船渡市で発生した山林火災では、赤崎町合足地区や三陸町綾里の広い範囲が焼け、焼失した面積はおよそ1800ヘクタールにのぼっています。
大船渡市は2日午後5時から会見を開き、
▽三陸町綾里では、北東部の小石浜地区の方向に延焼が拡大しているほか、
▽赤崎町合足地区の周辺でも集落の方向に延焼が拡大していることを明らかにしました。
市は、2月26日から1日にかけて、
▽三陸町の綾里全域と越喜来の3つの地区、それに、
▽赤崎町の13の地区に
随時、避難指示を拡大していますが、避難所のひっ迫した状態が続いていることから、2日新たに三陸町吉浜に避難所を1か所、追加で開設しました。
市によりますと、2日午前11時の時点で、市内の避難所と福祉避難所に1206人が避難しているということで、市は引き続き避難所の開設を検討していくことにしています。
これまでに三陸町綾里の小路地区で男性とみられる1人の遺体が見つかったほか、住宅などの建物少なくとも84棟が被害を受けたとみられますが、現場では消火活動が優先されているため、被害の確認にはまだ時間がかかる見通しです。
大船渡市では、3日にかけて空気が乾燥した状態が続く見通しで、消防などは夜を徹して消火活動を続けることにしています。
【上空から撮影した午後の映像 朝に比べ白い煙 増えて広がる】
2日午後2時ごろから3時ごろにかけて、岩手県大船渡市の上空から撮影した映像では、三陸町綾里や越喜来、それに赤崎町合足地区を中心に、2日朝に比べて山林の複数の場所から立ち上る白い煙の量が増えて広がり、上空から地上の様子が見えにくくなっています。
このうち、三陸町綾里の小石浜地区の北西側にある山林では、一部でオレンジ色の炎が上がり、白い煙が地区に向かって流れている様子が確認できました。
赤崎町合足地区の周辺の山林では、2日朝と変わらず複数の場所から白い煙が上がっていました。
また、三陸町綾里にある三陸総合運動公園のグラウンドでは、消防隊員とみられる人たちがヘリコプターへの給水を繰り返し行っていました。
そして、グラウンドを飛び立ったヘリコプターは、綾里の中心部を挟んで西側の山林に向かい、白い煙が立ち上るあたりに放水を繰り返していました。
【延焼が続く】
岩手県大船渡市の山林火災は2日も、延焼が続いています。
2月26日に赤崎町の合足地区で発生してから、三陸町綾里の田浜地区や野々前地区に広がったあと、2日になって綾里の北部や赤崎町の南部で延焼が広がっているということです。
【三陸町綾里の北部】
大船渡地区消防組合によりますと、三陸町綾里では延焼が北部の山林から東側の小石浜地区の方向へ広がっているとみられています。
また、三陸町越喜来の西甫嶺地区にもおよび山の尾根を超えて北の方角へさらに広がっているということです。
【赤崎町の南部】
赤崎町の南部では長崎地区の近くで、再び煙が上がっているのが確認されたということで、これらの山間部では延焼を阻止しようと、自衛隊のヘリコプターや防災ヘリによる放水が行われています。
また、民家がある地域へ火が及ばないように、消防が三陸町綾里の中心部や赤崎町の合足地区などで夜を徹して消火活動に当たるということです。
【気象台】
盛岡地方気象台によりますと大船渡市を含む沿岸南部ではあす明け方まで北西の風が吹き、あす昼以降は風がやや弱まる見込みですがあすまで空気の乾燥した状態が続く見通しだということです。