延焼が続く山林火災(26日午後9時38分、岩手県大船渡市で)=大金史典撮影
岩手県大船渡市赤崎町の山林火災は、発生2日目の27日も延焼が続き、男性とみられる1人の焼死体が見つかった。市によると、焼失面積は600ヘクタール以上に上り、避難指示の対象は3000人超に拡大した。
【グラフ】びっくりするほど少ない…大船渡の降水量、今年と平年比較(雪を含む)
山林火災の延焼が広範囲に及んだことについて、山火事に詳しい日本大の串田圭司教授は「2月末は一年で最も空気が乾燥する時期だが、今年は特に雨が少なく、火がつくと爆発的に拡大した。強い西風が吹き込んだこともあり、近年で最大規模の被害になった」と指摘している。
大船渡市を含む岩手県沿岸南部は降水量が極めて少ない状況が続いている。大船渡の2月の平年降水量は41・0ミリだが、今月は計2・5ミリにとどまっていた。気象庁によると、この冬は冬型の気圧配置が長く続いている。大陸からの季節風は東北の日本海側に大雪をもたらす一方、山を越えた乾いた風が吹く太平洋側では空気の乾燥を招いていた。
盛岡地方気象台は18日から乾燥注意報を発表しており、26日未明には強風注意報を出した。大船渡では出火約30分後の同日午後1時半に、最大瞬間風速18・1メートルを観測した。
【関連記事】