原子力災害時のNHK松江放送局の備え
配信より
原子力災害時のNHK松江放送局の備え|NHK 島根県のニュース 配信より
島根原発2号機についてです。
再稼働に向けて、安全性の確保が最大の課題になるなか、
原発からおよそ10キロの場所にあるNHK松江放送局では、
原子力災害が起きた際、放送を継続するための備えを行っています。
29日は、その内容をご紹介します。
国は、2011年の福島第一原子力発電所事故の後に、
原子力災害が起きた際の避難について、
原発から5キロ圏内と30キロ圏内の2つに分けて、改めて対応を定めました。
そして、原災法・原子力災害対策特別措置法に基づく、「10条通報」が出た場合、
国は必要に応じて、5キロ圏内は「避難の準備」を、
5キロから30キロ圏内は「屋内退避の準備」を求めます。
さらに、「緊急事態」を知らせる「15条通報」が出た場合、
国は必要に応じて、5キロ圏内には「避難指示」、
5キロから30キロ圏内には「屋内待避」を求め、
場合によっては、段階的に避難指示も行うとしています。
つまり、原発からおよそ10キロの場所にあるNHK松江放送局も、
避難を余儀なくされる可能性があり、その場合、拠点を移して取材や放送を継続することにしています。
まず、原子力災害が起きた際に重要な取材先になる、島根県庁の「プレスセンター」です。
【「プレスセンター」と「オフサイトセンター」】
県庁のそばにある島根県職員会館の大会議室です。
原子力災害が起きた際、県は、こちらに「プレスセンター」を設置して、
NHKを含む報道機関に情報を提供することにしています。
29日は、NHKの職員やスタッフが回線のテストを行い、
緊急時、映像の伝送や、中継リポートが出来るかを確認しました。
この建物の道路の向かい側には、国や県などの拠点になる
「オフサイトセンター」があります。
ここでは、原子力災害が起きた際、自治体関係者のほかに警察や自衛隊、
それに消防隊などの責任者が24時間体制で詰めて、避難などの方針を決定します。
内閣府や中国電力などとテレビ会議を行うことができるシステム。
それに、屋外の放射線量が高い場合でも、大気を人体に影響のないレベルまで除染して、
屋内に取り込む装置も設置されています。
ほかにも、原子力災害に備えた機器が設置されていて、訓練も定期的に行われています。
原子力災害時、「オフサイトセンター」で行われている業務は、
こちらの大型スクリーンで映し出されることになっています。
「オフサイトセンター」は、「プレスセンター」のすぐ近くにあるだけに、
緊急時には、報道機関へのスムーズな情報の提供が求められています。
【松江放送局からの放送ができなくなった場合】
NHK松江放送局からの放送ができなくなった場合の対応です。
原子力災害で放送を出し続けることができなくなった場合、
出雲市中心部にあるホテルの一部を拠点として使えるよう、取り決めをしています。
29日は、およそ20人の職員やスタッフが、
NHKの中継車で回線のチェックなどを行い、
緊急時でも、拠点として放送が出せることを確認しました。
NHK松江放送局では、島根原発2号機の再稼働を前に、
来週3日間、住民や自治体、それに医療現場などを取材した
企画シリーズをお伝えします。
さらに、来月(12月)20日の金曜日、午後7時30分からは、
さんいんスペシャル、「原発再稼働 安全は確保されるのか」を放送します。