インタビューに応じる片山善博氏=2019年2月28日午後3時4分、東京都新宿区
兵庫県の斎藤元彦知事らを内部告発した県の元西播磨県民局長の男性(60)が死亡した問題をめぐり、
斎藤知事が続投を表明しています。
しかし、元鳥取県知事で大正大特任教授の片山善博さんは「すぐに辞職すべきだ」と話します。話を聞きました。
【これまでの経緯】元鳥取県知事の片山善博さんが、兵庫県知事に伝えたいこと
――斎藤知事は続投理由に「(県民から)多くの負託を受けている」ことを挙げています。
今回の一連のプロセスを受けて県民の負託は空洞化しているのではないでしょうか。
――3月に斎藤知事らへの告発がなされましたが、
その後の知事側の対応が問題視されています。片山さんが知事なら告発にどう対応しましたか?
思い当たることがあれば謝った上で、改めたいと表明します。全くの事実誤認だと思ったら、
「第三者委員会で調べてください」と言います。
告発された本人が「事実誤認」だと言っても、多くの人は半信半疑になりますから。
告発を受けた知事が取るべき対応は、反省して改めるか、第三者に調査をゆだねるかのどちらかだと思います。
しかし、斎藤知事は全く違いました。告発文について「うそ八百」と会見で発言。
さらに、告発者の元県民局長が公益通報をした後に、県の内部調査だけで懲戒処分をしました。
公益通報の結果が出て、全くの誹謗(ひぼう)中傷だとわかれば、その段階での処分はあり得ます。
しかし、第三者の客観的な評価がない中で処分するのはあってはならないことです。
結果的には後からボロボロと、告発文の中には本当のこともあるようだということが分かってきた。
こうなると、もう知事の言うことへの県民や県職員からの信頼はなくなってしまっていると思います。
斎藤知事の下で県政を立て直すのは、私は事実上無理だと思います。
県政を停滞させないために、県議会の調査特別委員会(百条委員会)の結果を待たずに辞職すべきです。
(聞き手・長富由希子)
朝日新聞社