謎めいた過去を持つ美女「大林ミカ」とはどんな人 再エネ中国企業ロゴで〝透けて〟しまった悪い香り「ボンドガール」にうってつけ
いよいよ春爛漫(らんまん)と言いたいところではあるが、
この春のお天気さまは、お花見イジメをするかのように花冷えであった。
そんな季節に、心をさらに寒くしたX(旧ツイッター)トレンドのトップ。
「大林ミカさん」のお名前が上っていた。
聞いたことのないお名前とご尊顔であった。
どんな著名人なのかと調べてみると、内閣府のタスクフォースで使用された資料に、
中国の最大級国営企業の「透かし」ロゴが入っていた問題での渦中の人だと。
当人は、中国企業のデジタル資料を添付したことで、
「デジタル透かし」が残ってしまいました「テヘペロ」と弁解していた。
おそらくその「ポカミス」自体の事実経緯は本当なのであろう。
しかし、まさにいろいろと〝透けて〟しまったこの騒動、
その方と根深い関係といわれる政治家の背景も含め、とても分かりやすい春の珍事であった。
役者風情が妙に偏ったことを書くのは良くないが、
それを強く理解した上でも、この騒動は筋が悪い香りがプンプンした。
素人でも分かる相関図を俯瞰(ふかん)しても、大きな「うごめき」がぼんやりと見え広がり、
局所的な疑問として、そもそも大林ミカさんとはどんな方なのだろうということが浮かんでくる。
同様の疑問を投げかけていた著名人の方も多いが、「大林ミカ」という名前がペンネームなのだろうか。
旧姓が異なっていようとも、これだけの騒動になっていながら、
一緒に机を並べたであろう中学や高校の同級生からの話が一切出てこないのだ。
あれだけ目立つ雰囲気なのだから、ご学友のひとりふたりが名乗り出てきてもおかしくはない。
ちなみに私は、東京メトロ丸ノ内線の南阿佐ヶ谷駅近くにある「杉並区立第二小学校」卒業だ。
いまだに地元の同級生と数カ月に1回くらいは高円寺で飲むので、すぐにご学友は見つかる。
まさに謎めいた過去を持つ「美女」。これが女優さんならば、魅力的な要素の一つだと笑えるかもしれない。
有名人が出自を明らかにする必要はない。それは個人の自由である。
だが、彼女がいる場所はエンタメではない。
内閣府が執り行い、河野太郎大臣も参加する「タスクフォース」という、
血税も注がれているであろう、国家のかじ取りを研究する公的な席なのだ。
そのメンバーが謎めいていては困ってしまう。
意地悪な言い方かもしれないが、謎めいているのは、
やはり謎めく必要があるからだろう。
私のように「杉二小」の卒業生だというふうには言えない、きちんとした理由があるはずだろう。
春の空を覆う薄い雲のように、何とも言えない「モヤモヤ」が生まれた花冷えであった。
おそらくこの手の話は、無数にあるタコの足の1本でしかなく、その本体はもっと大きなモノなのだろう。
この気持ちをスッキリとさせるために考えたのは、
彼女を次回作の「007」の謎めくボンドガールに推薦することだ。
きっと良い演技をしてくれると思う。
■大鶴義丹(おおつる・ぎたん) 1968年4月24日生まれ、東京都出身。俳優、小説家、映画監督。
88年、映画「首都高速トライアル」で俳優デビュー。
90年には「スプラッシュ」で第14回すばる文学賞を受賞し小説家デビュー。
NHK・Eテレ「ワルイコあつまれ」セミレギュラー。
5月4~7日、東京・渋谷伝承ホールで上演される「浅見光彦シリーズ『後鳥羽伝説殺人事件』」に出演する。