配信より
仮設住宅の完成300戸止まり、入居申請は8市町で8000戸…遅れの背景に用地不足や人手不足
- 能登半島地震
- 能登半島地震で被害を受けた石川県で応急仮設住宅の入居申請が少なくとも、8市町で約8000戸に上っていることがわかった。
- 県は年度末までに4600戸の着工を目指すが、これまでに完成したのは約300戸にすぎない。
- 1日で発生から2か月。避難所や親戚宅などに約1万9000人が身を寄せており、居住先の確保が依然として課題となっている。
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読売新聞が県と各自治体に取材したところ、仮設住宅の建設を進めているのは、輪島、 珠洲
、七尾、 羽咋
、能登、穴水、志賀、内灘の計8市町。
申請数は計7971戸で、輪島市の4140戸、珠洲市の1936戸と続く。
建設を新たに検討している自治体もあり、申請は増える可能性がある。
県は当初、年度内に3000戸の着工を目標としたが、ニーズの多さから4000戸に上積みし、2月27日に4600戸に修正した。
現時点で完成しているのは輪島市の76戸、珠洲市の90戸など計302戸。県は増加する分も含め夏頃までの順次完成を目標としているが、建設地となる市町からは「生活再建や雇用の維持を考えると遅すぎる。人口が流出してしまう」などとの懸念が相次ぐ。
遅れの背景には、用地不足や人手不足がある。奥能登は海と山が近く、適地となる平地が少ない。申請数に対し、完成数が2%の輪島市は、候補地を事前に選んでいなかった。担当者は「市有地を想定していたが場所まで決めておらず、希望数などに合わせて対応しようと思っていた」と準備不足を認める。建設業者の確保に加え、片道数時間をかけて金沢市から通うなど作業効率の課題もある。
県は応急仮設だけでなく、民間賃貸住宅を借り上げた「みなし仮設住宅」への入居も促している。県内で4500戸、県外で3700戸を確保するなどしているが、被害の大きい奥能登4市町には物件が少なく、地元を希望する被災者の受け皿になり得ていない。
県では19市町で家屋約7万5000棟が被災した。県は最終的な建設数を検討中で、馳浩知事は「遅くとも子どもの夏休みが終わるまでには、入れるめどをつける」と話している。
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