被災地ボランティア、実働は登録者数の10分の1 現地の態勢整わず
2/14(水) 19:03 毎日新聞 配信より

https://news.yahoo.co.jp/articles/09dad441d0ff8a0432ff6279ddef857f4b770444

毎日新聞

石川県庁=金沢市で、日向梓撮影

 石川県は14日、能登半島地震の被災地で活動する一般ボランティアの実働人数が延べ2205人(13日現在)となり、事前登録した約2万5000人と比べても10分の1以下にとどまっていることを明らかにした。長時間の移動が必要なうえ、仮設トイレが少ないなど現地の態勢も十分に整っていないことが要因という。

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 ◇バス移動長く実働時間に限り

 一般ボランティアは1月27日以降、金沢市などからバスで被災地入りし、家屋の片付けや避難所支援などに日帰りで従事してきた。輪島市など8市町で1日あたり250人ほどが活動しているが、最北の珠洲(すず)市に向かうには往復で8時間半ほどかかり、現地での実働時間は数時間程度に制限されている。県は今後、復路のバスの出発時間を遅らせたり、被災地に近い宿泊拠点を整備したりして活動時間を広げる。

 家の片付けには住民の立ち会いが必要だが、住民の多くが避難生活を送っているため難しいという事情もある。一般ボランティアの受け入れを週末に限定している輪島市の社会福祉協議会の担当者は「週末しか自宅に帰れない被災者が多く、調整役の行政サイドのマンパワーも不足している」と説明する。

 14日に珠洲市にボランティアに入り、被災家屋の畳を搬出した奈良県五條市の農業、喜田卓磨さん(24)は「バスでの移動が長く、今日は4時間しか活動できなかった。ボランティアがもっと入れば片付け作業も進むのに、人手が足りていない。改善し、少しずつ良くなってほしい」と話した。

 

【深尾昭寛、阿部弘賢、野原寛史】

最終更新:2/14(水) 19:03 毎日新聞