ゲオの5478円激安コンデジを使ってみた 「渋くて素直」な仕上がりが楽しい?

2023年12月10日 10時00分 公開

[荻窪圭,ITmedia]

 

配信より

 

ゲオコンデジレビュー

軽くて小さい、一見本格派ぽいけどトイコンデジな「BM-DC01」

 ゲオから超安いデジカメが出てちょっと話題になっているから使ってみて、といわれて手にした「BM-DC01」。価格はゲオオンラインストアで5478円(税込み)。

 手にしてみると、とても懐かしさすら感じる。もう10~20年くらい前、安いCMOSセンサーを搭載し、プラスチック製の軽くて安いボディーを持つ数千円のデジタルカメラが登場し、「トイコンデジ」などと呼ばれてちょっと話題になったのだが、これもまた「帰ってきたトイコンデジ」って感じだ。

 ただ、もちろんそれなりに現代的になっている。

4K動画とか44.0MPとか、ほんと?

 片手で握れて重さはバッテリーとmicroSD込みで約117gと超軽い。ボディーはもちろんプラスチック。そのカジュアルさがいい。

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手が小さい人でも片手で握れて軽い

 本体に書かれている文字をチェックしてみよう。

 まず「4KULTRAHD」。確かに4K動画を撮影可能だ。4Kで撮った動画から切り出したカット。

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4K動画から切り出した1枚

 

手ブレ補正はゼロなので歩きながら撮れると揺れまくるし、

 

ゆがむしで、これも初期のスマホカメラを思い出す感じだ。

 

その下に「44.0 MEGA PIXELS」とあるが、

 

イメージセンサーは44MP(つまり4400万画素)じゃない。

 

センサーは800万画素である。

 

メガピクセルでいえば「8MP」。

 

めちゃ盛っている。

 

【訂正:2024年1月21日11時10分 初出時に

 

「0.8MP」としていましたが、

 

正しくは「8MP」です。おわびして訂正いたします。】

 

ただまあ、デジタル処理で44MPサイズの写真を撮れるわけで、

 

「44.0 MEGA PIXELS」センサーとは書いていないし、まあいいか。

 

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イメージセンサーは800万画素。これが800万画素の写真

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設定で3Mから44Mまで細かく画素数を選べるのが面白い。これは最高の44.0MPモード

 いつもとはちょっと違う被写体も、ってことでスカイツリーを44MPで。

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スカイツリーを44MPで撮ってみた

 

さらに、レンズの周りには「16x Powerful Zoom」とある。

 

これはもちろん光学ズームじゃなくてデジタルズームのこと。

 

めいっぱいズームしてみた。

 

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画質がどうとかディテールをシャープにしようとかあまり考えていない感じの、素直なデジタル拡大写真だ

 

もう1つズームしたものを。

 

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クリスマスっぽい感じで。こういうカットだとデジタルズームの粗さが気になるかな

 

ざっくりいって、これぞトイコンデジという画質と使い勝手だ。

 

起動は数秒かかるし、AFも数秒待たされるのもなんか懐かしい。

 

でも人物だけはちゃんと検出してくれる。

 

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顔を検出したところ。左下にある笑顔アイコンは「笑顔シャッター」機能。ちょっと笑うとシャッターを切ってくれる

 

しかも「笑顔シャッター」機能なんてついていて、

 

ちょっとでもほほえむと、がしがしとシャッターを切ってくれる。

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笑顔シャッターで撮った1枚。変貌中の新宿西口をバックに

 

もちろんナイトモードなんてないし、手ブレ補正もないので、

 

暗所だとすぐ手ブレする。

 

フラッシュ代わりのライトはLEDライトが3つついているだけで、それほど明るくはない。

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LEDライトはどのくらい強力かなと思って撮った1枚

よく見ると素直な写りで楽しいかも

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撮影中の図。ストラップは付属しているものを装着

 

画質はどうかといわれると、値段を考えれば当たり前なのだけど、

 

レンズもそんなによくないしスマホカメラのようなHDRもないしシーン認識もないし高感度にも弱い。

 

まあ、どんなシチュエーションでもきれいに写る、というのならスマホカメラの方が上だ。

 

でも、複雑な処理をしていない分、写りはすごく素直で面白い。これがチャームポイントかも。

 

何しろ陽射しが強ければ白トビするし、影は黒くつぶれるし、

 

曇りの日はどよんとした写りになるし、

 

暗いとすぐブレるけど、光りの状態がいいとくっきりした写りになるし、

 

光が柔らかいと柔らかい写りになるのだ。

 

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陽射しが強ければ白トビする

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曇りの日はどよんとした写りになる

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暗いとブレる

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光がよければくっきりする

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光が柔らかければ柔らかく写る

 

こういうある意味素直な画質って、われわれの世代だと「懐かしい」と感じるのだけど、

そうじゃない人には新鮮かも、と思う。

 

今、スマホカメラの画質が安定していて何を撮ってもきれいにさくさく撮れる分、

逆にオールドコンデジの良くも悪くも素直な写りが小さなブームになっていると感じる。

 

あえておもちゃみたいな、ちょっともやっとした写りが楽しいという感覚はありなんだろうなと。

それでいてイマドキのガジェットっぽくそろっているべきものはそろっているのが面白い。

 

USB端子はUSB Type-Cだし、もちろんUSB充電で、

 

しかもデータ転送にも対応しているので、USB Type-C to Cケーブルがあれば

 

iPhone 15以降やAndroid機とつないで、その場でさっとデータの転送もできる。

 

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充電やデータ転送に対応したUSB Type-C端子搭載

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「UDISK」とあるのがこのカメラ。ちなみに写真アプリからの直接吸い上げはできない

 

 ファイル操作のアプリを使って中身をチェックし、スマートフォンにダウンロード可能だ。

 

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iOSの「ファイル」アプリで中身を閲覧

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写真を開いて「”写真”に保存」をタップするとライブラリに保存される

 

記録メディアはmicro SDだ。

遊びでぽんぽんと撮って、面白いカットが撮れたら、

 

その場でケーブルをつないでスマホで吸い上げて(ケーブル直結なので待ち時間もないし)

 

その味わい楽しむにはちょうどいい。

遊べるトイコンデジになっているか

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本体と付属するネックストラップ。着脱式なのが便利

 

 残念だったのは、画質よりも操作系かな。ボタン操作にクセがあるのだ。

 

 動画と静止画の切替えは中央の「M」ボタン。

 

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上には電源とシャッター。シャッターは静止画と動画兼用だ

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背面。+と-はデジタルズーム用。Mボタンで静止画と動画を切り替える。タッチパネルはない

 

 MENUから抜け出るにはもう一度MENUを押さないとダメとか、再生モードから撮影に戻るには

 

もう一度再生ボタンを押さないとだめとか、その辺の操作体系にクセがあったり、

 

操作のレスポンスがいまひとつよくなかったりする。

 

 安くて軽くて小さくて首からぶら下げるストラップもついているので、

 

もうちょいさくさく動けば、渋くて素直な写真を撮れるトイコンデジとしてよかったのに、とは思う。

 

 その辺を理解して遊ぶトイコンデジと思っていいだろう。

 

 そうそう、モノクロモードで撮るってのもアリかもしれない。

 

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首から提げてぶらぶらさせつつちょっとした瞬間にモノクロで撮るってのもいいかも

 

モデル:長谷川実沙

 

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