「細田」の看板重荷に 「党員を辞めたいとの声が寄せられている」 支持層、無党派の離反懸念 自民党島根県連
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「細田」の看板重荷に 「党員を辞めたいとの声が寄せられている」 支持層、無党派の離反懸念 自民党島根県連(山陰中央新報) - Yahoo!ニュース
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記者会見で選考結果を発表する自民党島根県連の細田重雄会長(左から2人目)ら=東京・永田町、党本部
衆院島根1区補選の告示が3カ月後に控える中、自民党島根県連が細田博之前衆院議長の後継に元財務官僚の錦織功政氏を選んだ。
岸田政権の支持率低迷や「政治とカネ」を巡る問題で党が逆風にさらされ、関係者は支持層に加え、無党派層の離反を懸念する。
細田氏が疑惑を残したまま死去したことから「細田」の看板が重荷になるとの声も上がる。
【2024衆院補選島根1区】細田氏後継に錦織氏 元財務官僚 自民島根県連が決定
「党員を辞めたいとの声が寄せられている」「党員用のカレンダーを配布しようとしたら断られた。今の有権者の声はこれが現実だ」
16日、東京都内の党本部であった選考委員会でA4判2枚の資料が配られた。
候補者選考に当たり、2日前に松江市内で開いた非公開の会合で、選挙の実働部隊となる県連地域支部の幹部から挙がった意見が記されていた。
実際、党に向けられる視線は厳しい。
共同通信社が13、14の両日に実施した世論調査で、岸田政権の支持率は27・3%と低迷。
細田氏が会長を務めた清和政策研究会(現安倍派)など派閥の政治資金パーティー裏金事件を巡り、派閥解消を求める声は80・2%に達した。
政局を占う補選に向け、野党は攻勢を強める。
11日に立候補を表明した立憲民主党の亀井亜紀子氏は「クリーンな政治を訴えていく。島根が変われば日本は変わるという思いで臨む」と強調。
自民支持層の切り崩し、無党派層の取り込みに向け、自民が抱える〝アキレス腱〟を争点にする構えだ。
さらに、細田氏が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係やセクハラ疑惑を残したまま死去したことも懸念材料だ。選対委に出席した1人は「本来なら『弔い合戦』になるはずだが、細田の名前を出すとマイナスに働く」と漏らす。
ただでさえ、細田氏の父・吉蔵氏を含めて60年以上続いた選挙態勢を新人の錦織氏が引き継げるかどうかは不透明で、党員から「投票用紙に細田と違う名前を書いてもらうのは大変だ」との声が上がる。
長年支えてきた比良幸男元松江市議は「(細田氏の)晩年の疑惑や『政治とカネ』の問題で党のイメージが悪すぎる」と無党派層への影響も危惧し、地域支部幹部は「厳しい選挙になる」と口をそろえる。
選対委終了後の会見で細田重雄県連会長は「組織が一枚岩になって支え、圧勝する」と誓ったが、他の県連幹部と国会議員の表情は険しかった。
支持層を固め、無党派層を取り込んで勝利を重ねた過去の戦いとは様相が異なり、会見で絲原徳康県連幹事長は「大逆風が吹いているのは十分承知している」と語った。
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