歌会始の儀、天皇陛下は訪問先で出会った人々の笑顔に心和む気持ち詠まれる

1/19(金) 11:57 読売新聞 配信より

歌会始の儀、天皇陛下は訪問先で出会った人々の笑顔に心和む気持ち詠まれる(読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース

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天皇、皇后両陛下、皇族方が出席されて行われた「歌会始の儀」(19日午前、皇居・宮殿「松の間」で)=代表撮影

新春恒例の「歌会始の儀」が19日、皇居・宮殿「松の間」で行われた。今年のお題は「和」。

天皇、皇后両陛下や皇族方を始め、1万5270首の応募作から選ばれた10人の入選者、選者、天皇陛下に特別に招かれた召人(めしうど)の栄原永遠男(とわお)・東大寺史研究所所長(77)の歌が古式にのっとった節回しで朗詠された。

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宮内庁によると、天皇陛下は全国各地の訪問先で、出会った人々の笑顔を見るたびに自身の心も和む気持ちを詠まれた。陛下は2019年の即位後、皇后さまとともに20都道府県を訪れており、各地での温かい歓迎をうれしく思われているという。

皇后さまは、長女愛子さまが中学時代、修学旅行で初めて訪れた広島県で原爆ドームなどを見学し、平和への願いを卒業文集につづられたことを詠まれた。皇后さまは日頃から平和を願っており、愛子さまの作文に抱いた感慨を歌に込められたという。

愛子さまは、大学の授業で学んだ中古・中世の和歌が、千年の時を経て現代に受け継がれていることに感銘を受けた気持ちを詠まれた。儀式への参列は学業優先のため、見送られた。

宮内庁は今回、4年ぶりに出席者にマスクの着用を求めなかった。コロナ禍前は約100人に上った陪聴者は、昨年より増えたものの、25人にとどめた。

歌会始の儀の歌

「歌会始の儀」に臨まれる天皇、皇后両陛下(19日午前、皇居・宮殿「松の間」で)=代表撮影

 天皇陛下
 をちこちの旅路に会へる人びとの笑顔を見れば心和みぬ

 皇后さま
 広島をはじめて訪(と)ひて平和への深き念(おも)ひを吾子(あこ)は綴れり

 秋篠宮さま
 早朝の十和田の湖面に映りゐし色づき初めし樹々の紅葉

 秋篠宮妃紀子さま
 鹿児島に集ふ選手へ子らの送る熱きエールに場は和みたり

 両陛下の長女愛子さま
 幾年(いくとせ)の難き時代を乗り越えて和歌のことばは我に響きぬ

 秋篠宮家の次女佳子さま
 待ちわびし木々の色づき赤も黄も小春日和の風にゆらるる

 常陸宮妃華子さま
 わが君が退院されて常盤松明るくなりぬ心も和む

 寛仁親王妃信子さま
 病人(びやうにん)になりたる我を支へくれしまなざし優しき人等(ひとら)に和(なご)む

 寛仁親王の長女彬子さま
 道真公遷られたまふ御祭りに●にふはりと和風の吹く

 高円宮妃久子さま
 仁和寺のお堂にひびく声明(しやうみやう)の音ふくらみて我をつつみぬ

 高円宮家の長女承子さま
 突然に和鳴(わめい)にぎやか秋空を烏もどりて夕暮れを知る

 召人 栄原永遠男さん
 歌木簡(うたもくかん)かかげ三十一(みそひと)文字をよむ温(ぬく)き響きに座は和みたり

 選者 三枝昂之さん
 友垣に夕焼け空に咲く花に和(こた)へて遠く歩みつづける

 選者 永田和宏さん
 ひと滴(しづく)の檸檬(れもん)に紅茶は色変(か)へてはるかなり中和滴定曲線

 選者 今野寿美さん
 琴は琴でもこの国に生まれたる和琴(わごん)といへり六弦と知る

 選者 内藤明さん
 海山の怒りの風を和らぐる言葉教へよ樹の中の鳥

 選者 大辻隆弘さん
 きたにしの風和ぐなへに冬の陽はわが頬を刷くいたくやさしく

 入選者(年齢順)

 栃木県 古橋正好さん(88)
 己が手で漉きたる和紙の証書手に六年生は卒業となる

 米国カリフォルニア州 川崎ハルコさん(81)
 かの日々に移り来し人等耕しし大和(ヤマト)と呼ぶ里アマンドの花

 神奈川県 臼杵喜行さん(75)
 呼びに来てくれたる人を追ひ越して電話に急ぎし昭和の夜道

 香川県 岩倉由枝さん(72)
 和菓子屋をなりはひとして五十年寒紅梅に蕊をさす朝

 埼玉県 高橋祐子さん(71)
 和だんすは母のぬくもり大島に袖をとほせば晩年に似る

 福岡県 川添さとみさん(61)
 風琴の和音のやうに柔らかに多言語混じりあへる教室

 千葉県 小野文香さん(61)
 見逃した小さな小さな違和感の粒で自分が作られていく

 石川県 宮村瑞穂さん(32)
 花散里が一番好きと笑みし友和服の似合ふ母となりぬる

 京都府 小池弘実さん(21)
 目を瞑り一分間を祈るとき皆が小さき平和像なり

 新潟県 神田日陽里さん(17)
 「それいいね」付和雷同の私でもこの恋だけは自己主張する

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最終更新:1/19(金) 18:35 読売新聞オンライン

私のコメント :   令和6年1月19日、「歌会始の儀」が、皇居・宮殿「松の間」で行われた。今年のお題は「和」。天皇陛下に特別に招かれた召人の栄原永遠男・東大寺史研究所所長(77)の歌が古式にのっとった節回しで朗詠された。

秋篠宮さまから、「早朝の十和田の湖面に映りゐし色づき初めし樹々の紅葉」と詠じられている。