秋篠宮さま58歳 なぜ歯切れが悪い宮邸改修問題「全体像を隠していると思われても仕方ない」と元宮内庁OB

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秋篠宮さま58歳 なぜ歯切れが悪い宮邸改修問題「全体像を隠していると思われても仕方ない」と元宮内庁OB(AERA dot.) - Yahoo!ニュース

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水産功績者表彰式であいさつする秋篠宮さま=2023年11月

 約30億円をかけた秋篠宮邸の改修工事をめぐる批判は、おさまる気配がない。秋篠宮さまは11月30日に58歳を迎え、その会見での説明の内容が注目された。しかし、これまでの説明をほぼ踏襲し、説得力に乏しい内容だった。元宮内庁職員も「意図的にわかりづらくしているのでは」と指摘する。

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「私自身がかなりぐずぐずしていた。非常にタイミングとして遅くなったなというのが反省点」  11月30日に誕生日を迎えた、秋篠宮さまの記者会見。宮内記者会の最初の質問が、秋篠宮邸の改修をめぐる「問題」についてだった。  また、秋篠宮さまは、次女の佳子さまが改修工事中の仮住まい先だった「分室」(旧御仮寓所)で「ひとり暮らし」をしていることを公表するまでに時間がかかったことにも触れ、 「この家のどこに誰が住んでいるということは、もともと公表していない」 「やはりセキュリティ上のこともある」  と述べた。  その一方、改修工事にあたって「経費削減」がどれだけできたか、具体的な金額が示されることはなかった。   

■「削減額」もナゾのまま  問題の経緯を振り返る。    秋篠宮邸は老朽化が進んでいた一方、国内外の賓客を接遇する機会も多いことから、30億円をかけて増改築工事することになった。ご一家は、9億8千万円をかけて新築した「御仮寓所(ごかぐうしょ)」に、2019年2月から仮住まいをしていた。  結婚前の長女・小室眞子さんを含めたご一家で話し合った結果、家族5人分の私室を造ると予算が増えると判断。「経費削減」のために眞子さんと佳子さまの私室は造らず、佳子さまは「御仮寓所」でそのまま「ひとり暮らし」を始めることになった。  

 しかし、佳子さまの「ひとり暮らし」は当初公表されておらず、女性週刊誌などの報道が先行。宮内庁は旧御仮寓所に「私室部分の機能も一部残す」と説明していたが、6月末に秋篠宮家の側近である加地隆治・皇嗣職大夫が、 「増改築工事にあたり、もともと秋篠宮邸に佳子さまの私室は造られていなかった」  と、佳子さまの「ひとり暮らし」を認めることになった。  また、眞子さまや佳子さまの私室を作らないことで「経費削減」になるとの説明だったが、実際にどれだけ削減できたのか、具体的な額は明らかにされてこなかった。  宮邸の工事はすでに終わり、「御仮寓所」は「旧御仮寓所」もしくは「分室」と呼ばれている。鉄筋コンクリート造りの3階建てで、延べ床面積は約1378平方メートル。居間や食堂のほか、応接室や執務室、職員の事務室などがある。皇嗣職職員の一部が事務室として使うほか、佳子さまが私室部分に住んでいる。  どれだけ「経費削減」できたのか、そして佳子さまが「ひとり暮らし」を始めた理由についての説明はないまま、今回の秋篠宮さまの誕生日会見に注目が集まることになった。  

 ■「国民は、ごまかされたという思い」  そんななか、秋篠宮さまの誕生日会見の直前の11月22日、宮内庁の西村泰彦長官は定例会見で、唐突に宮邸の改修工事についての説明をした。  増築された部分の約66%が事務部分であり、私室部分はほとんど増加していないという内容で、 「宮内庁の判断で整備した部分の工事費が結果的に高額になってしまい、工事費用を抑えたいという両殿下のお気持ちに十分お応えできなかった」  と、秋篠宮ご夫妻を擁護した。しかし、事情に詳しい関係者も、 「本来であれば、皇嗣職大夫が行うべき話だが、皇嗣職では用をなさなかったということでしょう。いずれにせよも、中身はゼロに等しい内容だった」  と手厳しく評価する内容だった。    そして秋篠宮さまも、記者会見で「反省」を口にしたものの、新たに示された事実はほぼない内容で終わった。

秋篠宮さまは、佳子さまの「ひとり暮らし」を公表しなかった理由について「セキュリティ」を挙げた。しかし、どの皇族がどの宮邸や施設に住んでいるかは、理由とともに公表されている。  たとえば寛仁親王妃の信子さまは、三笠宮邸ではなく、東京・千鳥ケ淵にある旧宮内庁長官公邸だった宮内庁分庁舎で2008年から暮らしている。宮内庁は主治医の見解とともに、「直接宮邸にお戻りになると、ストレス性ぜんそくの再発の恐れがある」と理由を公表している。  佳子さまは、改修工事中の仮住まいであった分室(旧御仮寓所)に暮らし続けていた。  秋篠宮さまは「「この家のどこに誰が住んでいるということは、もともと公表していない」と主張した。しかし、佳子さまについては、宮邸ではなく別の建物で「ひとり暮らし」を続けていたことを指摘されているのだ。  前出の関係者もため息をつく。 「秋篠宮さまとしては、佳子さまが暮らす旧御仮寓所も宮邸の一部というお考えなのでしょう。だから『分室』という名称にしているのでしょうが……。抽象的な内容に終始し、消化不良の会見に終わった感は否めない。国民は、ごまかされたという思いを抱いたのではないか」   

■隠していると思われても仕方ない  元宮内庁職員で皇室解説者の山下晋司さんは、この問題をめぐって不可解な点が多いと首をかしげる。  「宮内庁の概算要求書でも、皇嗣職の事務棟などの新築工事が『赤坂御用地東地区周辺整備』となっており、秋篠宮家に関連する施設とはわからないような名称を用いています。意図的にわかりづらくして、全体像を隠そうとしていると思われても仕方がありません」

 また、西村長官と秋篠宮さまの説明についても、煙に巻かれた感があると話す。  それぞれが宮邸の改修について、増築部分の約66%が皇嗣職職員の事務部分、約29%が老朽化した公室部分であり、住まいとなる私室部分で広がったのは約5%の72平方メートルだと説明した。72平方メートルが「ほとんど増加していない」面積かどうかは別として、山下さんは肝心な点を説明していないと指摘する。 「これは秋篠宮家の本邸に限っての話のようです。分室に佳子内親王殿下の私室部分があるわけですから、本来そこの面積もプラスしないと、増えた私室部分の面積はわかりません」    また、西村長官が、誕生日会見に先立つ定例会見で宮邸の改修工事について触れたのは、記者会見にあたって事前に提出された質問項目に含まれていたために「火消し」を狙ったものであり、質問項目に入っていなければそのまま説明されなかった、と見られる。  

 ■必要ならば説明すればいい  だが、山下さんは気になることがある。  秋篠宮さまはこれまで、皇室の慣例・慣習にとらわれない発言をしてきた。  小室眞子さんの結婚問題でもそうだった。「国民の祝福を得られない」として結婚の儀式などは行わず、眞子さんに対して皇族として結婚することを許さなかった。眞子さんと小室さんが都内のホテルで開いた結婚会見についても、 「一方向のものではなくて双方向での会見という形にしてほしかった」  と述べている。 「秋篠宮殿下のご性格を考えると、意図的に隠すようなことはなさらないと思っています。ひょっとすると殿下ご自身も周辺施設を含めた工事の全体像を把握なさっていないのかもしれません」(山下さん)  今回の改修工事は、海外の賓客を失礼なく接遇するための整備も目的のひとつだ。改修工事のやり取りは、家のことを取り仕切らなければならない紀子さまに自然と集中してしまったという声もある。  それでも山下さんは、 「皇嗣という重い立場にいらっしゃるわけですから、国として必要だと判断するなら、国民にきちんと説明をした上で工事をするべきです」  と指摘する。    いまだ着地点が見えない、宮邸の改修工事問題。歯切れの悪い説明が続く様子は、眞子さんの結婚をめぐる問題を思い起こさせる。国民が納得いく形で「決着」するのはいつだろうか。 (AERA dot.編集部・永井貴子)

永井貴子

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