インフルエンザの感染拡大、愛媛など6県「警報」レベルに…小児用治療薬の一部不足
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インフルエンザの感染拡大、愛媛など6県「警報」レベルに…小児用治療薬の一部不足(読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース より

季節性インフルエンザの感染拡大が止まらない。定点1医療機関あたりの患者報告数は11週連続で増え、愛媛など6県が「警報」レベルになった。例年より流行が約3か月早く、小児用治療薬の一部が不足する事態に陥った。冬場にさらに大きな感染の波が来る恐れがあると専門家は指摘する。 【図表】インフルエンザの感染状況
厚生労働省は、全国約5000か所の定点医療機関からの報告を基に、1医療機関あたりの1週間の患者報告数が1人で「流行入り」、10人で「注意報」、30人で「警報」とする基準を定めている。例年、年末前後に「注意報」レベルとなるが、今年は3か月ほど早く、10月初旬に達した。
コロナ禍の2020~22年は、インフルエンザはほぼ流行しなかったため、感染症に詳しい菅谷憲夫・慶応大客員教授は「十分な免疫を持たない人が増えた」と指摘する。
そこに、最少で月間約1600人にまで減った訪日外国人が水際対策の緩和によって200万人台にまで増えた影響が加わった。海外からウイルスが持ち込まれ、菅谷氏は「今季は1000万人ほどと数年に1度の規模の流行になる恐れがあり、12月初旬にピークが来る可能性もある」と警鐘を鳴らす。
厚労省によると、10月30日~11月5日の患者報告数は21・13人で11週連続で増加した。国立感染症研究所はこの1週間の全国の患者数を約73万人と推計する。
都道府県別で最多は山梨の39・63人で埼玉、愛知、長野、福島、愛媛が続く。この6県が「警報」レベルで、前週の2県から4県増えた。「注意報」レベルは37都道府県に上る。
30・62人だった愛媛県では新居浜市、今治市など県東部での感染拡大が顕著だ。今治市医師会市民病院では、多い日は約50人の感染者が確認されている。せき止めやたんを取り除く薬の在庫が減ってきており、石井栄一院長は「すでに綱渡りの状態で、冬場に大きな流行が来た際に対応できるのかが心配だ」と打ち明ける。
厚労省は7日、製薬会社24社にせき止めやたんを切る薬の増産を要請した。 インフルエンザ治療薬では小児用ドライシロップが不足し、同省は8日、医療機関や薬局に過剰発注を控えることなどを求める文書を出した。
今後の備えについて、大阪健康安全基盤研究所の朝野(ともの)和典理事長(感染制御学)は「子どもから大人、高齢者に感染が広がる懸念がある。早めのワクチン接種、マスク着用、手洗いの徹底のほか、こまめな換気を心がけてほしい」と話す。
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