杉田水脈氏の「謝罪」投稿、首相が答弁で言及 具体的対応には触れず
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杉田水脈氏の「謝罪」投稿、首相が答弁で言及 具体的対応には触れず(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース
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参院予算委員会で答弁する岸田文雄首相=2023年10月31日午前9時6分、国会内、上田幸一撮影
ブログの投稿内容がアイヌ民族や在日コリアンらに対する「人権侵犯」と法務省に認定された
自民党の杉田水脈・環境部会長代理について、岸田文雄首相は31日の参院予算委員会で「投稿に傷つかれた方々に謝罪をし、表現を取り消した。(今後も)説明責任をしっかり果たしてもらいたい」と述べる一方、具体的な対応には言及しなかった。
立憲民主党の徳永エリ氏への答弁。
徳永氏は、杉田氏が人権侵犯の認定を受けた後も、SNS上の動画で「私は差別をしていない」などと主張したとし、「このまま放置するのか」とただした。
首相は「特定の民族や国籍の人々を排斥することは許されない」との認識を示した。
ただ、具体的な対応については「党としても政府としても、人権について考えていかなければならないという思いをしっかりと示すよう努力したい」と述べるにとどめた。
杉田氏は27日にユーチューブに動画を投稿。
「私はアイヌや在日の方々に対する差別はあってはならないと思っている。LGBTや女性に対する差別も(あってはならないのは)当然だ」
「逆差別、エセ、そしてそれに伴う利権、差別を利用して日本をおとしめる人たちがいる。(そうした)差別がなくなっては困る人たちと戦ってきた」などと語っていた。
(松井望美)
朝日新聞社
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衆院議員(比例中国)を党環境部会長代理に、
党のフランス研修中に撮影した写真が問題となった松川るい参院議員(大阪選挙区)
を副幹事長にそれぞれ起用するなどの人事を決めた。
杉田氏はアイヌ民族への侮辱的な投稿で今月、札幌法務局から人権侵犯の事実があったと認定されたばかりで、党の姿勢が問われる。
松川るい氏(左)と杉田水脈氏
杉田氏は2016年に開かれた国連女性差別撤廃委員会の参加者を「チマ・チョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレおばさんまで登場」と交流サイト(SNS)に投稿。
昨年8月に岸田文雄首相から総務政務官に任命されたが、LGBTQ(性的少数者)などを「生産性がない」と表現した問題も含めて国会で追及され、12月に更迭された。
総務会後の記者会見で森山裕総務会長は、杉田氏について「差別は断じてあってはならない。政治家は説明責任を果たしていくことが大事だ」と指摘した。
聖学院大の石川裕一郎教授(憲法学)は、「首相は先の国連演説で『人間の尊厳』の尊重を訴えたが、差別発言を繰り返してきた杉田氏を起用した。この程度では支持率に影響しないだろうと国民を軽視している」と批判した。
一方、松川氏は今年7月、党女性局の海外研修で訪れたフランス・パリの観光名所「エッフェル塔」を背景に塔をまねたポーズをした写真をSNSに投稿。党費も使った研修での観光旅行と受け取られかねない様子に批判が殺到し、女性局長を辞任。茂木敏充幹事長も会見で「国民の信頼を損なうものだ」と苦言を呈していた。
総務会ではこのほか、政治資金などの問題が相次いで明らかになり総務相を更迭された寺田稔衆院議員(広島5区)を総務会長代理に充てる人事も承認された。
(山口哲人、小椋由紀子)
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