岸田首相、大臣の賃上げ案に与党議員から驚きの声 「全く問題ない」「率先してやらないと」

2023/10/31 11:30配信より

 

岸田首相、大臣の賃上げ案に与党議員から驚きの声 「全く問題ない」「率先してやらないと」(AERA dot.) - goo ニュース

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眼鏡を外す岸田首相。その先に見ようとしているのは国民の幸せか、それとも…

 

臨時国会が始まり、国民生活を支えるための経済対策に注目が集まっているなか、閣僚らの賃上げをする法案が提出されていた。国会議員の給与(歳費)は年収2200万円程度にもなる。それが閣僚ともなれば、年収4千万円とさらに高額になる。物価高などで生活が苦しくなっている国民の不満が噴出しているのに、なぜ首相らの給料を上げるという考えになるのだろうか。

 

 20日に始まった臨時国会に「特別職の職員の給与に関する法律」の一部を改正する法案が提出された。

■年間給与は首相で約4千万円、大臣で約3千万円

 特別職には、自衛官や裁判官などのほか首相や大臣も含まれる。法案を見ると、首相の給与月額(俸給月額)は201万円から201万6千円に、大臣は146万6千円から147万円に上げるとされている。ボーナス(期末手当)も3.3カ月分だったのが、3.4カ月分に上がる。

 

 いったいいくらの賃上げになるのか、法案を担当する内閣人事局に話を聞いた。

 

 まずは閣僚の現在の年間給与を紹介しておこう。閣僚は前出した給与月額とボーナスの他に、給与月額の20%に当たる金額を地域手当としてもらっている。これらを合計すると、年間の給与額は首相で約4015万円、大臣で約2929万円になるという。

 

 そして今回の法案が成立すると、首相が45万円程度の賃上げで約4060万円に、大臣が32万円程度の賃上げで約2961万円になるようだ。ただ、首相は3割、大臣は2割を国庫に自主返納しているので、それを踏まえると、計算上、首相で31万円程度、大臣で26万円程度の賃上げになる。

■与党議員「賃上げを率先してやらないといけない」

 報道によると、自民党や公明党の政治家からは「返納しているのだから全く問題ない」「政府は賃上げを掲げているので率先してやらないといけない」といった声があがっているという。

 

 返納しているとはいえ、賃上げの必要性があるほど低い額になるわけではないだろう。焦点となっている減税についても決まっていない状況で、自分たちの給料は率先して上げるとなれば、国民から怒りや批判の声が出てくることはわかっていそうなものだが。それでも特別職の給料を上げる理由は何なのだろうか。

 

 内閣人事局の担当者に尋ねると、

「人事院の勧告により、一般職の指定職の給与があがるため」

 と説明する。

 

「指定職」とは一般職国家公務員の幹部のこと。本省の部長・審議官級以上や研究所長、病院長などが該当する。人事院は今年8月に、国家公務員の一般職の給与を上げるように勧告している。これを受けて10月、政府は人事院の勧告通りに初任給や月給などを上げることを決定し、今国会にその法案が出されている。

 

 しかし、人事院の勧告には特別職についての言及はない。

 内閣人事局の担当者はこう話す。

「一般職の給与が上がったから特別職も上げないといけないという法律はありません。ただ、これまでも一般職の給与改定にあわせて特別職も上げてきました。全体的なバランスをとっての対応です」

 

 専門家はどう見るか。元経産官僚で慶応大の岸博幸教授は「非常に情けない話。

 

政治側で止めるべき話でしょう」という。

■細部に岸田政権の本質が出ている

 今回の法案は内閣人事局が作ったものだが、自民党や公明党に説明をして了承を得るほか、

 

閣議決定を経たうえで国会に提出される。

 

政治家の判断で法案を修正する機会は十分にあるわけだ。

 

岸教授がこう指摘する。

 

「役人が機械的に法案を出してきたとしても、それをどうするのか判断するのが政治家の役割です。

 

自衛官らの給与を上げるのは必要だとしても、首相や大臣も上げる必要はないでしょう。

 

国民の賃金が十分に上がっていないなかで自分たちが賃上げしたら国民にどう映るか考えていない。

 

今回の賃上げも微々たるものという認識なのかもしれません。

 

国民に目を向けていないことの表れでしょう。

 

こういう細かいところに岸田政権の本質が出ていると見ています」

 

それでは岸田首相はどこを見ていたのか。元国会議員秘書で政治評論家の尾藤克之さんはこう見る。

 

「特別職で多いのは防衛省職員、自衛官などです。

 

ウクライナや中東で戦争が起こり国際情勢が厳しくなっているほか、

 

中国の軍事力増強や北朝鮮のミサイル発射などがあり、自衛隊の役割は高まっています。

 

そんな中で『自分たちは配慮している』という姿勢を見せる狙いがあるのでしょう。

 

言い換えれば、利益誘導、選挙対策でもあります。

 

こうした法案でもごり押しできるという余裕が岸田首相としてはまだあるのだと思います」

 

 国会での審議はこれからだ。果たして法案が修正されることはあるのか。

 

(AERA dot.編集部・吉崎洋夫)

私のコメント :  令和5年10月31日、臨時国会が始まり、国民生活を支えるための経済対策に注目が集まっている。
 
しかし、閣僚らの賃上げをする法案が提出されていた。国会議員の給与(歳費)は年収2200万円程度にもなる。
 
それが閣僚ともなれば、年収4千万円とさらに高額となる。
 
物価高などで生活が苦しくなっている国民の不満が噴出しているのに、なぜ首相らの給料を上げるという考えになるのだろうか。
 
国会での審議はこれからだ。果たして法案が修正されることはあるのか。