加賀百万石の前田家、18代当主が交代へ 157年ぶりの生前継承に

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加賀百万石の前田家、18代当主が交代へ 157年ぶりの生前継承に(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース

 

式年大祭で玉串をささげる前田利祐氏=2023年10月3日午前10時34分、金沢市尾山町、樫村伸哉撮影

 

加賀藩祖の前田利家公から続く前田家18代当主の前田利祐(としやす)氏(87)が11月、長男の利宜(としたか)氏(59)に家督を譲ることになった。利祐氏が3日、金沢市内で意向を明らかにした。当主の交代は34年ぶり。生前に交代するのは、1866年に13代斉泰(なりやす)から14代慶寧(よしやす)に継承されて以来で157年ぶりとなる。

 

  【写真】あいさつする前田利祐氏=2023年10月3日午前11時53分、金沢市南町、樫村伸哉撮影  

 

利祐氏は3日、利家公が祭神の尾山神社(金沢市)で開かれた御鎮座150年式年大祭に出席した。廃藩置県後の1873(明治6)年、旧藩士らが加賀百万石の礎を築いた利家公の功績を伝えようと、現在地に新たな社殿を建てた。その大きな節目を約100人の参加者とともに祝った。  終了後、利祐氏はホテルで開かれた宴で「11月に88歳になることもあり、そろそろ息子に代を渡そうと考えている」とあいさつし、当主交代の考えを示した。前田家は先祖に当主交代を伝える儀式として、11月3日に尾山神社で奉告祭を開く。  利祐氏は東京都出身。学習院大を卒業後、三菱海運(現日本郵船)に入社。17代当主の父利建(としたつ)氏が死去した1989年に家督を継いだ。前田家が収集した文化財を保存公開する公益財団法人・前田育徳会(東京)の評議員で、石川県人会の名誉会長なども務めている。  19代当主になる利宜氏は東京都出身。上智大を卒業後、三菱商事に入社。ブラジルやサウジアラビアなどで勤務し、2020年に退社してコーヒーチェーンのイノダコーヒ(京都市)の社長に就任した。(樫村伸哉)

朝日新聞社

 

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