当主交代、金沢で表明 
前田家18代利祐氏、利宜氏に

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当主交代、金沢で表明 前田家18代利祐氏、利宜氏に|社会|石川のニュース|北國新聞 (hokkoku.co.jp)

配信より

 

尾山神社御鎮座150年式年大祭に参列する前田利祐氏=3日午前10時、金沢市の尾山神社

尾山神社御鎮座150年式年大祭に参列する前田利祐氏=3日午前10時、金沢市の尾山神社

 

  ●尾山神社式年大祭に参列

 前田家18代当主前田利祐(としやす)氏(87)は3日、金沢市内で地元の関係者を前に、長男で会社社長の利宜(としたか)氏(59)に家督を継承する意向を正式に表明した。

 

前田家の当主交代は34年ぶり。尾山神社で営まれた御鎮座150年式年大祭に参列し、直会(なおらい)の場であいさつに立った利祐氏は「今年で88歳になり、そろそろ息子に代を渡そうと思う。11月はじめに、尾山神社でご先祖様にご報告申し上げる祭りを行う」と語った。

 

 直会は金沢ニューグランドホテルで開かれ、神社本庁や前田家の関係者、前田家を支えた重臣「加賀八家(はっか)」の当主や地元の経済人ら約90人が出席した。

 

 前田家は、加賀藩祖・前田利家から続き、利宜氏は19代目として家督を継ぐ。継承の儀式として、11月3日に利家を祭神とする同神社で奉告祭を執り行う。当主交代は1989(平成元)年以来、生前の家督継承は幕末の1866(慶応2)年以来となる。奉告祭は前田家が執り行う。

 

 利宜氏は東京都出身。三菱商事を経て、2020年7月から老舗喫茶店「イノダコーヒ」社長。利祐氏は父で17代当主の利建(としたつ)氏が1989年に死去したのに伴い、家督を継承した。

 

 利祐氏は加賀藩が収集した文物を保存する前田育徳会(東京)の理事長を歴任し、現在は評議員を担う。前田家ゆかりの品々を管理する成巽閣(金沢市)の理事長も務め、石川県人会活動を支えている。

 

 式年大祭は、利家をまつる卯辰八幡宮が1873(明治6)年に金沢城金谷御殿跡の現在地に遷座され、尾山神社と改称して150年となる節目に営まれた。関係者104人が列席し、加藤治樹宮司が祝詞を奏上、参列者が玉串をささげた。