3大メガバンクに強い大学ランク 早慶が100人超就職で他を引き離す 総合職中心になったことで女子大が激減
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3大メガバンクに強い大学ランク 早慶が100人超就職で他を引き離す 総合職中心になったことで女子大が激減(夕刊フジ) - Yahoo!ニュース
【新・親も知らない今どき入試】 今回は3大メガバンク(みずほフィナンシャルグループ、三井住友銀行、三菱UFJ銀行)の就職者数を集計した、「3大メガバンクに強い大学ランク」を見ていこう。
就職者数は、大学通信が各大学にアンケートし、集計したものだ。 メガバンクの採用減は、そろそろ底を打つといわれるが、2023年卒も採用減が続いている。23年卒の3メガバンクの採用判明数は1107人で、昨年を99人下回った。
採用減の背景にあるのは、IT、AI(人工知能)技術の急速な発達にともない、一般職の採用がほぼなくなったことにある。 総合職中心になったことにより、メガバンクの就職者が多かった女子大が激減した。
23年卒で2人以上の就職者がいた大学は、津田塾大(5人)、東京女子大と日本女子大(各4人)、昭和女子大(3人)の4大学のみだった。
3メガバンクに1人でも合格者がいた大学は、回答があった564大学中87大学にすぎず、その内、3行全てに就職者がいたのは31大学。就職者が多い大学は難関大に集中しており、3メガバンク就職者数ランクは、私立と国立の難関大で占められている。
この10大学の就職者数は673人で、就職判明者1107人の6割以上を占める。
難関大生の人気が高い要因について、企業の採用支援を行っているワークス・ジャパンの清水信一郎社長は「メガバンクは研修制度がしっかりしており社会人基礎力が身に付くので、メガバンクをステップとしてキャリアアップを考える難関大生が多いのでしょう」という。
ランキングの1位は慶應義塾大で、2位は早稲田大。
100人超の就職者は、他大学を大きく引き離す。
3位は就職者が7人増えた東大で、昨年の5位から上がった。
4位の立教大も7人増で7位からランクアップしている。
対照的に5位の大阪大は、8人減で昨年の3位から順位を下げた。
三井住友銀行の採用判明数は、昨年を100人以上下回った。
住友銀行の発祥の地が大阪ということもあり、同行は関西の大学からの就職者が多い。
大阪大も昨年は42人の就職者がいたが、23年卒は28人に減少し順位を下げる要因となった。
6位以下は、
明治大▽京大▽中央大▽関西学院大▽神戸大が続く。
かつての3メガバンク就職者数ランクは、文系学部の定員が多い私立大が大半を占めていた。
たとえば、12年卒で国立大は10位の東大のみだったが、23年卒は4大学がランクインしている。
メガバンクでもDX(デジタルトランスフォーメーション)や、GX(グリーントランスフォーメーション)人材といった専門職が求められていることが、理系学部の定員が多い国立大有利に働く。
さらに前出の清水社長は、学生気質に注目する。
「安定志向が強い難関国立大生が多くなった影響もあると思います。遠い地域への転勤がない総合職があることも、地元に残りたいと考える学生のニーズに合致しているのでしょう」
■井沢秀(いざわ・しげる) 大学通信情報調査・編集部部長。1964年2月6日、神奈川県生まれ。明治大学卒業後、受験情報・分析を主力事業とする大学通信入社。大学の入り口(入試)から出口(就職)まで、情報を収集し発信中。中高・大学受験の案内書・情報誌を編集するほか、新聞社系週刊誌、経済誌などへの情報提供と記事執筆を行う。