今秋の衆院解散・総選挙、与野党に警戒感…首相「今は考えていない」発言に「思わせぶり」の指摘
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今秋の衆院解散・総選挙、与野党に警戒感…首相「今は考えていない」発言に「思わせぶり」の指摘(読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース
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岸田首相が今秋の衆院解散・総選挙に踏み切るとの警戒感が、与野党双方でじわりと広がっている。
10月中に大型経済対策の策定と、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への解散命令請求が行われる見通しで、
いずれも首相の解散決断を後押しするとみられているためだ。
「思わせぶり」
「先送りできない問題に一意専心に取り組む。今はそれ以外は考えていない」
首相は20日(日本時間21日)、ニューヨークで行った内外記者会見で、解散戦略について問われ、こう慎重な言い回しで答えた。
自民党四役の一人は「思わせぶりだった。『今は』考えていないということだ」と指摘した。
首相は10月中の経済対策の取りまとめを表明したものの、財源の裏付けとなる補正予算案を国会に提出するタイミングについては、「適切な時期に」と明言を避けていることも疑念に拍車をかけている。
鈴木財務相はモロッコで10月15日まで開かれる国際通貨基金と世界銀行の年次総会に出席する予定で、臨時国会は鈴木氏の帰国後、中旬に召集される方向だ。
一方、補正予算案の編成には通常3週間程度が必要で、国会提出は最速で11月中となる見通しだ。
自民の閣僚経験者は「首相は解散命令を請求し、経済対策を掲げ、臨時国会の冒頭で解散する余地を残しているのではないか」と語った。
慎重論も
もっとも、与党内には、内閣改造・党役員人事が内閣支持率の回復につながらなかったことから、早期解散には慎重論も強い。
公明党の山口代表は21日、東京都内で開かれた日本商工会議所の総会で、「10月で(衆院議員)任期の折り返しだ。それ以降は首相の判断に曇りが出ないように対応していく」と述べ、まずは選挙準備に集中する考えを示した。
立憲民主党は衆院選に向け、他党に候補者調整などの連携を呼びかけているが、共産党とは協議のメドが立っていない。
長妻政調会長は21日の記者会見で6月に解散論が浮上したことを挙げ、「今回も解散するぞと改造したけれども支持率は上がらない。オオカミ少年みたいな状況になっている」とけん制した。
日本維新の会は4月の統一地方選で伸長した勢いがあるうちに衆院選へ突入したい考えだ。
馬場代表は日商の総会で、「阪神のセ・リーグ優勝の年には解散がある」と述べ、「そのセオリーが今年も実現するかは分からないが、新しい日本を作るために努力したい」と意欲を示した。
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