8月の貿易統計、日中の緊張関係鮮明 半導体製造装置の輸出は2割減

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8月の貿易統計、日中の緊張関係鮮明 半導体製造装置の輸出は2割減(産経新聞) - Yahoo!ニュース

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財務省の外観=東京都千代田区

 

財務省が20日発表した8月の貿易統計(速報、通関ベース)では、中国との緊張した経済関係が鮮明になった。

 

日本が7月下旬から先端半導体分野の輸出規制を強化したことを受け、

 

半導体製造装置の輸出数量が急減。

 

食料品の輸出も落ち込みが激しく、福島第1原子力発電所の処理水海洋放出に反対する中国による

 

日本産水産物の全面禁輸の影響が出た可能性がある。 

 

中国向けに8月、輸出された半導体製造装置は前年同月比20・6%減の4782トン。

 

数量の低迷は年明けから顕著になっていた。

 

昨年10月から輸出規制を強化した米国が

 

日本とオランダにも同調を要請したことが明らかになったためだ。

 

狙いは先端半導体の軍事転用の防止にある。 

 

日本は7月23日から、友好国など42カ国・地域向けを除き、露光装置など23品目の輸出について、

 

個別に経済産業相の許可が必要となった。

 

42カ国・地域に入らない中国向けは厳しく制限されることになった。 

 

オランダも今月に入り、同様の措置を始めた。

 

中国は日米欧の有志国で作る先端半導体分野のサプライチェーン(供給網)から

 

ギリギリと締め出しを受けている格好だ。 

 

ただ、日本がこの先、輸出規制をさらに強化することは考えにくいというのが専門家の大方の見方だ。

 

大和総研の岸川和馬エコノミストは

 

「これ以上規制を強化した場合、日本はむしろ返り血を浴びる可能性もある」との見方を示す。

 

実際、中国は8月から、報復措置として、ガリウムなど重要鉱物の輸出管理の強化に乗り出した。

 

ロイター通信によると、同月の中国のガリウム関連製品の輸出はゼロだった。 

 

中国はいずれ自力で先端半導体の製造装置を作れるようになることも想定する必要がある。

 

岸川氏は「日本の半導体製造装置メーカーは中国市場で失った需要を別のところで埋める必要がある。

 

各社はすでに販路開拓の努力をしているだろうが、今は道半ばだ」と指摘している。

 

(米沢文)

 

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