小渕優子はなぜ注目される? 「政治とカネ」の問題で“表舞台”から姿を消しても選挙は無敵

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小渕優子はなぜ注目される? 「政治とカネ」の問題で“表舞台”から姿を消しても選挙は無敵(AERA dot.) - Yahoo!ニュース

永田町の自民党本部での会見で、声を詰まらせながら答える小渕優子選対委員長=9月13日

 

内閣改造・自民党役員人事の目玉とされ、党4役の一つである選挙対策委員長に就任した小渕優子氏。

 

元首相の父・恵三氏の後を継ぎ、「女性初の首相」を期待する声もあったが、2014年に政治資金をめぐる不明朗な会計処理で表舞台からは退いていた。

 

満を持しての復活か。その人物像を事件の経緯や過去の報道から探る。

 

  【写真】2014年の経産相辞任会見で微妙な表情をした小渕優子氏はこちら 

 

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■34歳で初入閣は戦後最年少  小渕氏のキャリアは順風満帆だった。  

 

成城大学卒業後、TBSに入社。2000年、当時、首相だった父・恵三氏が脳梗塞(こうそく)で倒れたことを受け、当時秘書だった優子氏が出馬した。得票率76%と圧倒的な得票で当選を果たした。当時は26歳という若さだった。  

 

08年には、麻生太郎内閣で戦後最年少の34歳9カ月で少子化担当相として初入閣。第2次安倍晋三内閣では財務副大臣に、14年9月の内閣改造で経済産業相に抜擢された。そう遠くない将来には、女性では初めての首相に、とも目された。  

 

そうした華々しいキャリアを歩んできた優子氏だが、14年に「政治とカネ」の問題が表面化し、その歯車は大きく狂い始める。  

週刊新潮の報道を皮切りに、政治資金の不明朗な会計処理が次々と発覚した。明治座(東京)での「観劇会」では、「小渕優子後援会」など4つの政治団体の政治資金収支報告書に、収支に計約6千万円ものズレがあったり、そもそも収支が記載されていない年もあったりした。最終的には約3億2千万円もの虚偽記載があった。

 

 14年10月、就任後わずか1カ月で経産相を辞任したが、「議員として、しっかり政治家としての説明責任を果たしていきたい」と議員辞職については否定した。  

 

東京地検特捜部が家宅捜索した際、会計書類を保存したパソコンのハードディスクがドリルで破壊されていることが発覚。それがきっかけで、ネットなどで「ドリル優子」とやゆされるようになった。  

 

特捜部は、元秘書ら2人を起訴したが、小渕氏については、虚偽の記載を認識していた証拠がないとして、不起訴処分(嫌疑不十分)とした。元秘書ら2人は15年に政治資金規正法違反(虚偽記載など)で執行猶予付きの有罪判決を受けた。 

 

■説明の記者会見は前橋で  同年10月に小渕氏の依頼を受けた第三者委員会が事件について、「小渕氏に監督責任があり、責任は軽微とは言えない」とする調査結果をまとめた。この結果を踏まえ、前橋市内で会見を開いた小渕氏は秘書への監督責任は認めて謝罪した。  

 

しかし、政治団体の不明朗な会計処理については「スタッフに任せきりにしていた」として自身の関与を否定し、今後は「しっかり監督責任を果たしていきたい」と述べるにとどまった。また、再調査についても、「現段階ではするつもりはない」と述べ、問題の幕引きを図った。  

 

小渕氏はその後、内閣や党の要職などには就いていなかった。しかし、19年から党県連会長を務め、21年には岸田総裁の元で組織運動本部長に就任した。今回の党4役就任でいよいよ“表舞台”に復帰した形だ。

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