県立10高校の通学バス廃止・減便を検討 鹿児島交通、本年度 運転手不足が影響「継続は困難」
2023/07/08 08:28
県立10高校の通学バス廃止・減便を検討 鹿児島交通、本年度 運転手不足が影響「継続は困難」 | 鹿児島のニュース | 南日本新聞 | 373news.com
配信より
スクールバスに乗り込み下校する生徒たち=6月28日、南さつま市の加世田高校
鹿児島交通(鹿児島市)が本年度にも、県立高校10校で運行するスクールバスの廃止や路線バスの通学ダイヤ減便を検討していることが7日、南日本新聞の取材で分かった。
一部には今月末の運行終了を打診しており、すでに下校便が減った学校もある。同社は、運転手不足と「24年問題」による勤務見直しで、継続が困難だとして各校に理解を求めている。
鹿児島交通が廃止や減便の方向で検討しているのは明桜館、武岡台、松陽、錦江湾、吹上、川辺、枕崎、加世田、加世田常潤、川内の10校。路線バス以外に公共交通での通学手段がない明桜館については、路線バス増便を検討した上で、来年度以降の運行を学校と協議するとしている。
取材によると川内高のスクールバスは宮之城線、祁答院線、入来・樋脇線、いちき串木野線の4路線で、全校生徒768人中143人(5月1日時点)が利用している。
1学期までで廃止を打診されていたが、夏休み中の補習を考慮し7月末まで運行を延長されることになった。
加世田高は、枕崎方面から約50人が利用するバスが1学期で打ち切りを打診され、協議を続けている。
川辺高は加世田、枕崎の2路線で朝夕1便ずつ。加世田線を13人、枕崎線を25人が利用している。
枕崎線は7月末まで、加世田線は12月で廃止となる。
通学ダイヤでは吹上高が、伊集院駅から約50人が利用する朝の1便が1学期までとなっている。
加世田常潤高は、バスセンターと結んでいる便が、同じルートを走る加世田高の便に統合される。
枕崎高は「一部の路線で減便されたが、影響はない」としている。
明桜館、松陽、錦江湾の3校では、4月から下校便2便のうち部活動終了後の便が廃止された。
鹿児島交通は「路線バスを乗り継いで下校できる手段を確保した上での変更」としている。
各校は事前に保護者、生徒に周知したという。
鹿児島交通によると、各校に対し運転手の不足や高齢化、2024年度から運転手の拘束時間の上限が改正されることによる影響を説明。
「一事業者ではスクールバスの運行は厳しい」と訴えたという。
スクールバスや路線バスで県立高校に通学する生徒は全61校で約4500人に上る。
鹿児島交通は2月に県教委へ事情説明を行っており、
紺屋宏昭高校教育課長は「今後、どのような代替案があるのか検討していきたい」と話している。
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