天皇陛下のダジャレに雅子さまも大笑いのインドネシア訪問 東宮時代から「だよね」と自然体

2023/06/25 10:00

 

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天皇陛下のダジャレに雅子さまも大笑いのインドネシア訪問 東宮時代から「だよね」と自然体

ダルマ・プルサダ大学を訪問し、日本語を学んでいる学生と日本語で話す天皇、皇后両陛下=6月20日、ジャカルタ

(AERA dot.)

 

 天皇皇后両陛下は、17日から7日間の日程で、インドネシアを公式訪問した。即位後初めて、おふたりそろっては21年ぶりとなる国際親善訪問で強く印象に残ったのは、おふたりの笑顔と、相手をリラックスさせる飾らない言葉だった。

*   *   *

「手が震える」

 皇后雅子さまは、手元を緊張させながらも、楽しげにそうつぶやいた。

 19日、首都ジャカルタ郊外のボゴール宮殿での歓迎行事のあと、雅子さまがインドネシアの伝統的な布地「バティック」のろうけつ染めに挑戦した場面だ。慣れない作業を楽しむ様子が伝わってくる。ろうを布にこぼしてしまっても、

「垂れちゃいました」

 と飾らない言葉で周囲は笑顔に包まれた。

 インドネシア訪問で感じられたのは、雅子さまの柔らかな表情と言葉だ。そして、雅子さまの緊張感が伝わる場面でのそうした妻を見守る天皇陛下の優しげな表情だった。

 両陛下の公務では、笑い声が聞こえてくる。加えて、周囲や会話の相手がリラックスできるよう、あえてくだけた声かけをする場面も多い。


コロナ禍が落ち着き、両陛下が国民の前に出る場面も増えてきた。そうした機会とともに、映像などを通じて、おふたりの声ややりとりを耳にする機会も増えた。

 インドネシア訪問でも、冒頭の雅子さまのように、そうした場面が随所に見られた。

 ユーモア好きの天皇陛下は、昔からダジャレ好き。今回も、ダルマ・プルサダ大学で、日本語を学ぶ学生らと交流した際に、渾身のダジャレを披露した。

日本のアニメが好きだという学生が、こう口を開いた。

「NARUTO(ナルト)というアニメが好きです」

すかさす陛下がこう応じた。

「私は徳仁(なるひと)です」

 思いがけないダジャレに、周囲も雅子さまも思わず大笑い。

「いや、特に関係はないんですけど」

 慌ててそう付け足したところに陛下の人柄がにじむ。

■両陛下のアイコンタクト

 おふたりは2018年6月、ご結婚から25年の節目にあたって、記者からの質問に答える形でお気持ちを文書で寄せている。そのなかに、夫婦円満のために心掛けてきたこととして、こんな言葉がある。

「相手を思いやり、相手の立場に立って物事を考えること、そして、お互いによく話し合い、また、大変な時にも、『笑い』を生活の中で忘れないように、ということ」

 笑いを忘れない――。おふたりが、その言葉を大切にしていることが伝わる。

 また、両陛下から伝わるのは、互いを尊重し信頼しあっている点だ。

 陛下と雅子さまは、公務のさなかにチラリと目を合わせるしぐさを見せることがある。今回のインドネシア訪問でも何度かあった。

 19日にジョコ大統領夫妻がボゴール植物園を案内したあと、天皇陛下が即興でスピーチをすることになった。見事なスピーチを披露しはじめた陛下だったが、突然話を止めて周囲を確認する動作を見せた。雅子さまと視線を合わせると、

「同時通訳ですか? わかりました」

 とにこやかにそのまま続けた。おふたりの「以心伝心」の様子に、周囲はあたたかな空気に包まれた。

 ジャカルタにあるカリバタ英雄墓地。国のために力を尽くした、およそ1万人の政治家や軍人、文官、そして太平洋戦争後もインドネシアにとどまってオランダとの独立戦争に加わった残留日本兵が眠る。この地を訪れた天皇陛下と雅子さまは、英霊碑前で深い黙とうを捧げて花を供え、残留日本兵の子孫と面会をした。

 ここの記帳室では、こんな場面があった。

 ペンを手に取った陛下が、そばにいた雅子さまに顔を向けて何かを問いかける。雅子さまはそっと手を添えながら言葉をささやき、陛下は「徳仁」と署名を終えた。

■「だよね」と自然体の会話

 こうした光景は、皇太子時代から変わらない。

 ご結婚から間もない時期、国際的な大会の開会式におふたりが出席したことがあった。当時を知る人物によれば、こんなことがあったという。

 国名が数年前に変更された国の選手が、おふたりの前を行進していた。

「マイクの音声が割れて、紹介された国名はひどく聞き取りづらい状況でした。皇太子さま(当時)は、雅子さまに何かたずねていらっしゃった。妃殿下は、皇太子さまの耳に、お顔を近づけて、ご説明をされていたご様子でした。外務省でキャリアを積んでおられた妃殿下を信頼なさっているのだなと感じました」

 当時、ご一家に仕えていた職員も何度となく、こう話していた。

「皇太子ご一家は、空気が明るい。なんといっても、皇太子さまが妃殿下をお好きでいらっしゃるのだと、われわれにも伝わります」

 また、おふたりのそばにいる機会のあった人物も「非常に仲がいいご夫婦」と、ほほえましいエピソードを話してくれたことがある。

 公務でお出かけの際などもごく自然体で、おふたりの会話が周囲に聞こえることが珍しくない。雅子さまは、皇太子さまに、

「――だよね」

 そうくだけた空気で話しかけ、皇太子さまも「うん、うん」といったふうに応じていたという。

 昭和から平成にかけて宮内庁にいた人物は、昭和そして平成の天皇と皇后の間には、相手を尊重しつつも「ある種の緊張感が保たれていた」と振り返る。

「いまの令和の両陛下は、こうした空気を大きく変えました。特に、即位してからの数年は、世間はどうしても前代の皇室と比較してしまうものです。しかし、その比較が平成の皇后バッシングを生み、皇室を追い詰めてしまった。

 時代に合った皇室の在りように正解はありません。コロナ禍や経済の停滞に国民が苦しんだいまの日本にとっては、天皇陛下と皇后雅子さまの、笑い声と明るい空気感は、ある種の救いになっているのではないでしょうか」

(AERA dot.編集部・永井貴子)

 

 

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